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マイクロソフト10-12月期79%増益、通期見通し上方修正




ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は24日、10-12月期(2008年6月期の第2四半期)は売上高・利益とも過去最高になったと発表するとともに、景気減速をよそに今後数カ月についても強気の見通しを示した。

同四半期の売上高は、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の販売で押し上げられ、前年同期比30%増の163億7000万ドルとなった。純利益は47億1000万ドル(前年同期は26億3000万ドル)と79%増益、1株利益は50セント(同26セント)。前年同期には、ビスタを入手できるクーポンを発行しており、これにかかわる売上高と営業利益は1-3月期に繰り延べられている。

トムソン・ファーストコールがまとめたアナリスト予想平均は、売上高は159億5000万ドル、1株利益は46セントだった。

またマイクロソフトは、統合ソフト「オフィス」とビデオゲームの販売が予想より好調なため通期の業績通しを上方修正した。1株利益予想レンジは、昨年10月時点での1.78-1.81ドルから1.85-1.88ドルに引き上げた。売上高については、10月時点の予想レンジである588億-597億ドルから599億-605億ドルに引き上げた。

決算と業績見通し上方修正はナスダックの取引終了後に発表された。同社株の通常取引終値は、前日比1.32ドル(4.13%)高の33.25ドルだった。その後の時間外取引では一段高となり、34.75ドルで取引されている。

クリス・リデル最高財務責任者(CFO)は決算発表後のインタビューで「マイクロソフトは、今後数四半期にわたり当社の主要5部門で大幅な成長が見込めると考えている」と語った。

また「下半期についても楽観的な見方をしている」と述べた。総売上高の約60%を米国外で上げているように、事業地域が広範にわたっていることが米国の景気減速をしのぐうえで助けになると説明し、「当社のあらゆる事業で、景気減速による売り上げ鈍化はもちろん起こり得る。だが当社全体としては極めて健全な成長を遂げていると確信している」と語った。


こうした楽観論の根拠の1つとして同氏は、10-12月期の前受収益が予想外に5億ドル増加したことを挙げている。これは主に大企業向けの販売代金を同四半期に前受収益として計上し、翌四半期以降に売上高として認識するもの。前受収益の大幅な伸びは、企業によるハイテク支出が旺盛であることを示しているといえる。

ハイテク業界の指標となるもう1社、半導体最大手の米インテル(Nasdaq:INTC)が15日、10-12月期の51%増益を発表したものの今後の事業環境は厳しくなるとの見通しを示し、同セクターへの懸念が広がった。だがマイクロソフトの決算は、この懸念とは対照的な内容だった。インテル以外の半導体メーカー各社の業績が振るわず景気全般について市場が神経質になるなか、インテルの株価は下落した。また米アップル(Nasdaq:AAPL)は22日、同四半期の57%増益を発表したものの、1-3月期の業績見通しは市場予想を下回った。携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」とパソコン「マッキントッシュ」の販売が今後数カ月、鈍化するのではないかとの見方が広がり、同社の株価も大幅安となった。

ビスタは、評判が芳しくなかったうえ初期のバグもあり、売り上げはあまり伸びないのではないかと見られていたが、今回のマイクロソフトの決算はビスタの販売が好調であることを示した。同社最大の売上高・利益を上げている、ウィンドウズ制作を手掛ける部門の売上高は67%増の43億4000万ドル、営業利益は83%増の33億6000万ドルとなった。

リデル氏によると、同社の家庭用ゲーム機「Xbox360」を購入する消費者は平均して、購入するゲームソフトの本数も多いという。このため娯楽・関連機器部門の売上高は3%増の30億6000万ドルとなった。同部門の営業損益は、前年同期の3億0200万ドルの赤字から3億5700万ドルの黒字に転換した。通期でも初の黒字を達成できそうだと同社幹部はみている。

オンラインサービス部門は2億4500万ドルの赤字と、赤字が拡大した。データセンターの費用がかさんだことや、60億ドルでの米インターネット広告大手アクアンティブ買収にかかわる支出が要因。それでもこの買収によって売上高は押し上げられ、38%増の8億6300万ドルとなった。
(2008.1.25/ダウ・ジョーンズ)

by fbitnews2006-6 | 2008-01-25 20:19 | PC  

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