ゲイツ“孫と合体”最後の大勝負へ…ヤフー買収を提案


 米マイクロソフト(MS)が米ヤフーに446億ドル(約4兆7500億円)の巨額買収を提案したのは、インターネット広告で覇権を握るグーグルへの対抗が最大の狙いだ。今年引退するビル・ゲイツ会長(52)にとって最後の大勝負となる。気になるのは日本のヤフーへの影響、そして同社の筆頭株主であるソフトバンクの孫正義社長(50)の動向だ。

 「インターネット広告は1社独占状態になっている。MSとヤフーは(合併で)強力な選択肢を提供できる」

 MSのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者、51)はヤフー買収の狙いをこう語った。

 パソコン用のOS(基本ソフト)「ウィンドウズ」で支配的ななシェアを握り、数々の独禁法訴訟と戦ってきたMSだが、ネット市場での立場の違いを浮き彫りにする一言だった。

 1社とはもちろんネット検索最大手のグーグルだ。共同創業者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏はともに34歳。MSのゲイツ氏やバルマー氏とは親子ほども離れた世代の新興企業だが、いまや検索連動広告という急拡大中の市場で、圧倒的なシェアを握り、高収益を上げている。また、ワープロや表計算ソフトなど、MSの収益源であるサービスを次々と無料で提供し、切り崩しを図るなど、MSにとって目の上のコブのような存在だ。

 MSも広告で稼ぐビジネスモデルへの転換を宣言しているが、伸び悩んでいるのが実情。グーグルの独占を阻止するには、検索シェア2位のヤフーを取り込むしか選択肢がなかった。

 一方、米ヤフーはこれまで何度もMSの買収提案を断ってきたが、グーグルの攻勢で検索市場のシェアを落として業績が悪化し、株価も下落。経営トップの交代や1000人のリストラを発表するなど厳しい状況に陥っている。

 ただ、日本からみるとヤフーの不振と言われてもピンと来ない。これは日本でヤフーが独自の地位を築いているためだ。資本上も、ソフトバンクが41%を保有する筆頭株主で、米ヤフーの出資比率は33%超と第2位にとどまっている。

 日本の検索市場でもグーグルをしのいでヤフーがトップを維持、米ヤフーはオークション事業から撤退しているが、日本では大きな収益の柱となるなど、幅広い年齢層に受け入れられている。

 経営戦略上も独立色が強いため、MSの米ヤフー買収が成功した場合も、日本のヤフーユーザーに不都合が出る可能性は高くなさそうだ。

 MSのバルマーCEOは、「ヤフーは日本では、ヤフー・ジャパンとソフトバンクによって運営されており、そうした関係を変える必要はない」とし、日本のヤフーへの出資を維持し、協力関係を保つ方針を明らかにした。

 そこで、買収が成功した暁には、旧知の仲であるゲイツ氏と孫氏が共同戦線を張ることも予想される。両氏にとってグーグルは共通の敵といえるためだ。主戦場は今後世界的に急拡大するとみられる携帯電話などモバイル分野での広告市場だ。

 ここでもグーグルは手を打っており、日本ではNTTドコモとKDDI(au)と提携済みだ。

 一方、ソフトバンクのケータイはヤフーのサービスと密接に連携しており、MSも「ウィンドウズ・モバイル」というモバイル端末用ソフトの事業を展開している。

 MSとヤフー・ソフトバンクが手を組めば、モバイル広告分野でもグーグルの対抗軸となる可能性があるうえ、ソフトバンクとしても、世界市場に打って出るチャンスとなる。ただ、欧米の独禁法当局が買収に待ったをかけ、本格審査に乗り出す可能性を指摘する専門家もおり、交渉の行方が注目される。(2008.2.2/ネタりか)
[PR]

by fbitnews2006-6 | 2008-02-03 07:48 | インターネット総合  

<< 船井電機、米でTV用デジタル変... 「9(nine)+」に不具合、... >>