MySQLは気の短いWeb環境にも適合

 サン・マイクロシステムズは1月17日に、オープンソースのデータベース企業、MySQLの買収を表明した。それに先立ち、MySQLのアーキテクチャ・ディレクター、ブライアン・エイカー氏が来日し、MySQLの技術の今後について語った。

 2008年の早い時期にリリースされる予定で開発が進む次期バージョン「MySQL 5.1」では、新しいストレージエンジン「Falcon」の採用をはじめ、パフォーマンスの向上やメンテナンス性の改善など、多くの機能強化が図られる予定だ。

 パフォーマンス向上の一例として、パーティショニング機能の追加が挙げられる。従来は、1つのテーブルの中にすべてのデータを入れて処理してきた。これに対しパーティショニング機能を利用すれば、1つのテーブルを区分けして処理できる。同社内でテストしたところ、パーティショニングを利用すると、それまで38秒かかっていたSELECT文がわずか3.8秒で処理できたという。

 「特にデータウェアハウスやデータ分析などに有効だろう」(エイカー氏)。アプリケーションのロジックを変更することなく利用できるため、使いやすい点もメリットという。

 同時に、データベースのメンテナンスを容易にするイベントシステムなどもサポートする。これを利用すれば、データベースに対する変更やパフォーマンスの推移を容易に測定できるようになるという。

 また、新しいFalconエンジンは、Webを活用したアプリケーションにより適したアーキテクチャを取るということだ。同じくストレージエンジンの1つであるInnoDBは、OLTPなど、企業で利用される標準的な「オールドタイプ」のアプリケーションに適していた。これに対しFalconは、短時間のトランザクション向けに構築されており、Web環境により適したものになるという。

 「昔々は、ターミナルの前に座って、トランザクションが終わるまで延々と待たされるのが当たり前だった。しかし今、Web上のフォームに何か入力してボタンを押して、何時間も待たされるとしたら、誰もそんなもの使ってはくれないだろう。トランザクションに許容される時間はどんどん短くなっている」(同氏)

 Falconは、こうした短いコネクションを許容する作りになっており、アプリケーション側での迅速な処理が可能という。同時に、RubyやPHP、Perlといった言語への最適化も図られているという。

 ただ、これによってMySQLが目指してきた路線が大きく変わるわけではない。商用データベース同様にスケールアップ的な手法も選択もできるようにしていくが、「それでも、1つのコンピュータにできることは限られている。シェアードオール方式では、ある時点で限界に突き当たるだろう。われわれは高価なソリューションを無理矢理押し付けるのではなく、汎用性があり、どこでも手に入れられるコモディティハードウェアを組み合わせてスケールアウトする方法を追求していく」(エイカー氏)

 なお同社日本法人によると、サンによる買収後の詳細はまだ公表できる段階にはなく、当面はこれまで通り事業を継続する見込みという。
(2008.2.1/@IT)
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by fbitnews2006-6 | 2008-02-02 10:43 | インターネット総合  

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