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ネットで本を借りて“返却”する千代田Web図書館の試みとは?


11月26日から、日本の公共図書館では初となる、インターネット上の図書館サービス「千代田Web図書館」が始まった。通常の図書館とは異なり、24時間365日利用が可能で、電子図書を自分のPCにダウンロードとして、閲覧するのだという。現在利用可能な作品は約3000タイトルで、これからも徐々に増える予定だとか。

これなら昼間は忙しくて図書館へ行けないビジネスマンにも、便利だ。図書館の本がPCで見られるって、結構すごいサービスかも…とは思うけど、ホームページを見てみると、なんだかいろいろと疑問も浮かんでくる。なかでも「ダウンロードしたデータは“返却”する」という記述が引っかかる。データを返却ってどういうこと? 「返却」されない場合は図書館から電話がかかってきたりするの? PDAや携帯電話では見られないの? などなど、いろいろと疑問をぶつけてみた。

「千代田Web図書館では、電子図書の専用データをやり取りすることになります。初回の利用時に専用の電子図書リーダーが自動でダウンロードされ、このソフトを利用して電子図書のデータをダウンロード、閲覧することができるようになります。現在のところこれはウィンドウズ専用です」(千代田区千代田図書館 広報担当/坂巻睦さん)

あ、要はデータのやりとりなんですね。じゃあ、電子図書データの「返却」って具体的にはどういうことなんでしょうか?

「“返却”などの語句に関しては、千代田区立図書館の新しい分館がWeb上にできる、と考えるとわかりやすいかと思います。Web上とはいえ図書館なので、使いたい方はIDを取得する必要があります。そして“図書館”である以上、本は“貸し出す”ものであり、貸し出したなら“返却”される必要がありますよね。“返却”は実質的には、利用者のPCからデータを“消去”するのと変わらないんですが、ここは“Web上の図書館”というイメージですから、そういった語句を使用しています」(同)

あ、なるほど…実際に貸し出し、返却するというわけじゃなくて、イメージを持ちやすいように、というコトなんですね。貸し出し期間がすぎても催促の電話がかかってくるわけではなく、自動的に消去されるんだとか。ところで、PDAや携帯電話に図書のデータを移したりできるんですか?

「いえ、著作権の問題がありますから、データはそのIDでのみ閲覧可能で、データのコピー、移動は不可能になっています。ですが、将来的にはPDAなどでも閲覧可能になるよう検討中です。新しい形態の図書館ですし、著作権などについては出版社から理解を得るのが大変でしたが、最終的には多くの出版社にご協力いただき、Web図書館開設にあたって非常に多くの電子図書を制作していただきました」(同)

電子図書は、気になる記述に色をつけて保存したり、メモを書き込んだりしてもOKなんだとか。音声が出るから語学の学習にはうってつけだし、まさに未来の図書館といえるかも。このサービス、現在は千代田区在住の方のみが利用可能で、2008年4月からは千代田区在勤・在学の方まで枠を広げることも検討中だ。それをさらに広げる予定は今のところないとのことだけれど、うーん、ぜひ使ってみたい!

(2007.12.27/R25)

by fbitnews2006-6 | 2007-12-27 18:59 | インターネット総合  

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