日米の先駆者が語るWeb2.0の行方

Web2.0提唱者のティム・オライリー氏が10年ぶりに来日。基調講演ではインターネットを最初に日本に持ち込んだ功労者とされるネオテニーの伊藤穣一氏を招き、Web2.0を取り巻く現状と今後について、対談を繰り広げた。

 Webにおける最新の技術開発とビジネスの事例を紹介するカンファレンス「Web2.0 EXPO Tokyo 2007」が11月15日に東京都内で開幕した。基調講演には「Web2.0」を提唱した米オライリー出版のティム・オライリーCEOが登壇。インターネットを取り巻く日米の状況について、ネオテニーの伊藤穣一代表取締役社長と対談を繰り広げた。


実に10年ぶりの来日となるオライリー氏。「インターネットビジネスの可能性はすべての企業に開けている」と述べた
 「1.0は企業や個人が閉じた世界を作っていたのに対し、2.0では互いに協力して価値を生み出すもの」――オライリー氏はWeb1.0を持ち出し、Web2.0の特徴を(情報の)開放性にあると述べた。

 続いて伊藤氏が登壇。オライリー氏が伊藤氏にテーマを投げかけ、伊藤氏が日本の、オライリー氏が米国の状況を説明する形で対談が進められた。

 Web2.0の成功を最初のテーマに選んだオライリー氏。「Yahoo!やGoogle、Wikipediaはユーザーが作り出したコンテンツなどのインテリジェンスを集めることで成功した。米国では(写真共有サービスの)Flickrなどがそれに当たる」と述べ、ユーザーがインターネットサービスの開発や普及に密接にかかわるWeb2.0の特性を改めて強調した。

 オライリー氏はWeb2.0的なビジネスに最も成功している企業にGoogleを挙げ、「広告代理店が見向きもしないような点に目を付け、ユーザー1個人に訴求するサービスを生み出した。結果として、小さなWebサイトにも広告を提供し、新たなトラフィックを生み出すというある種のイノベーションを巻き起こした」と功績を称えた。


軽快な議論を繰り広げるオライリー氏とネオテニー伊藤氏。
 「日本にはFlickrのようなサービスはあるのか」と同氏は続ける。それが言わんとすることは、日本では誰とでも情報共有をできる環境が前提としてあるのかというささやかな疑問だ。伊藤氏は、「日本において、タギングなどのサービスが個人のブログなどでじわじわと広がっているが、米国ほどではない」と述べた。

 Web2.0と密接にかかわるテーマとして起業家が挙がる。「とある調査結果では、起業家を尊敬する割合は米国が80%なのに対し、日本では10%以下」と切り出す伊藤氏。終身雇用などこれまでの社会構造における問題が根強く残っていることもさることながら、「日本では失敗のリスクが高い」と同氏は指摘する。

 「挑戦を重ねる起業家に敬意を払う」とオライリー氏は米国文化を説明。さらに「シリコンバレーでは失敗を重ねることが当たり前。たとえ失敗したとしても、起業の過程で多くを学ぶ。失敗を恥じる必要はない」とした。

 対談の最後のテーマとして、インターネットにおける今後の動向が取り上げられた。「米国では携帯電話が次のトレンドになるといわれているが、日本ではすでに(携帯電話において)先を行っている」とオライリー氏。伊藤氏はその背景に、コンシューマーの携帯電話に対する活発な動きを挙げる。

 「企業もコンシューマーの動向を見ている。(コンシューマーの動きが活発な)音楽配信や家電製品の分野にも期待している」(伊藤氏)――これらの分野へ注力することで、日本は近い将来、Web2.0を超えるイノベーションを引き起こす立役者になるかもしれない
(2007.11.15/IT Media)
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by fbitnews2006-6 | 2007-11-16 07:28 | インターネット総合  

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