はじめてのマクロレンズで秋を撮る、デジ一眼の初心者が自腹でレポート



 望遠、広角、魚眼とさまざまな表現手段を、撮りたいものにあわせて選ぶことができる……デジタル一眼レフカメラの楽しさの一端は、交換レンズ選びにある。なかでも意外に面白いのが、被写体にぐぐっと寄れるマクロレンズ。はじめての交換レンズとしてもオススメだ。そこで、デジタル一眼の初心者が実際にマクロレンズを購入して、「ドアップ」撮影にチャレンジしてみた。



●小物を「アップ」で、小さい花やストラップを大きく写す

 アクセサリーやちょっとした小物、花や昆虫など、「小さいもの」を画面いっぱいに写したい……そんな場面は多いだろう。コンパクトデジカメなら「花のマーク」の接写モードにセットするだけでOKだ。しかしデジタル一眼の場合は、通常のレンズでは近づきすぎるとピントが合わない。そのため接写に対応した「マクロレンズ」が必要になる。コンパクトデジカメより面倒でお金もかかるが、その分表現の幅が広く、楽しみも深い。

 例えば、現在使っている一般的な18-55mm(35mmフィルムカメラ換算で27-82.5mm)の標準ズームレンズは被写体に280mmまでしか近づけない。一方、今回購入したは50mm(同75mm)のマクロレンズの最短撮影距離は188mm。標準ズームより92mm被写体に近づいて撮影できるのだが、このわずかな差が、小さい被写体に近づく「ドアップ」撮影を可能にするわけだ。

●マクロレンズといえば「花」 花をキレイに撮るにはどうすれば……?

 それでは、はじめてのマクロレンズを使って、実際にいろいろと撮影してみた模様をレポートしよう。まず、マクロレンズといえば「花」という先入観もあり、とりあえず自宅にあった鉢植えの花を撮ってみる。まずはシーンモードを普段使っている「AUTO」に合わせ、撮影する。標準ズームレンズを使って撮影するよりも、背景をぼかし、花をくっきり写すことができた。


 それでも花の背景には鉄柵や、マンションの陰などが映りこんでいる。より背景をぼかしたいのであればシーンモードを花のマークの「クローズアップ」モードや、「絞り優先」モードに切り替えるといい。「クローズアップ」は自動で、「絞り優先」は手動で絞りを設定し、被写界深度(ピントの合う範囲)を浅く(狭く)することができる。つまり、ピントを合わせている被写体以外の背景や、手前にあるものなどがボケて、より被写体を目立たせることができる。

 被写界深度が浅いと、ピントが合っていない所がぼやけてしまうため、どこにピントを合わせ、どこをぼかすかが重要になってくる。初めに撮った写真は、手前の花びらにピントが合っており、花の中央から後ろがぼやけてしまっている。花を撮影する時は、花の中央、おしべやめしべがある部分「シベ」に合わせるのがポイントのようだ。なお、撮影に使ったカメラはフォーカスエリアが5ポイントしかないモデルだったので、「大体シベのあたり」にピントを合わせて撮影した。

 花に限らず、小物を撮影する時は、絞りを開け被写界深度を浅くして背景をぼかすことと、「どこにピントを合わせるか」が重要なポイントになることがわかった。さらに、ボケた背景と被写体との色の兼ね合いをこだわってみると、面白い写真が撮れるかもしれない。

●カメラを持って出かけよう! 向かうは秋の桜「コスモス畑」

 どうせ撮るなら背景にも花が溢れている「お花畑」がいい。秋の花、コスモスが咲いている公園を探しに出かけた。「秋の桜」とはよくいったもので、見つけたコスモス畑はピンクのじゅうたんを敷き詰めたようになっていた。

 コスモス畑を歩きながら、撮影を開始する。花をどの角度から撮るのが一番いいのかわからなかったので、真正面、斜め横、真横の3パンターンで撮影してみる。コスモスは比較的花が大きいので、真正面から撮ると花びらの端が切れてしまったり、背景が写らなかったりするが、必ずしも花全体が映っている必要もないし、背景がなくてもかまわない。小さい花を真正面から撮ってもいいし、大きめの花の部分に寄っても面白そうだ。

 歩き回っているといろいろな虫に出くわした。正直、虫は好きではないが、今日ばかりはいい被写体になる。逃げ出さないようにそぉっと近づいてみた。まずはミツバチ。花の上をモソモソ動いているが、なかなか飛び立とうとしないので、比較的撮影がしやすかった。対して蝶は花から花へヒラヒラと飛び回っているため、シャッターチャンスがなかなかつかめない。また、人の気配に敏感で、近づくとパッと飛び立ってしまう。昆虫の類を撮影するなら、少し離れた所からでもアップで撮れる100mmや200mmなどの中望遠、望遠マクロレンズも検討したい。

●身近なものが被写体になるマクロレンズ

 室内での撮影とは違い、屋外では風の影響を受けやすい。風でコスモスが揺れてしまい、何枚も「被写体ブレ」によるボツ写真を撮ってしまった。茎を手で押さえるなどして、ブレを防いでいたが、虫が止まっている場合はそうもいかない。遅くとも250分の1以上のシャッタースピードにしなければならないと聞いたが、場合によっては、もっと速いシャッタースピードで撮影する必要があった。

 今回使用したマクロレンズは標準レンズだったため、花の撮影が中心になったが、中望遠マクロレンズや望遠マクロレンズを使えば、虫のドアップ写真なども撮影できる。何を撮りたいかによって、レンズを上手に使い分けよう。また、今回の屋外撮影では、「重い」という理由で三脚を持っていかなかったが、三脚や一脚を用意すれば、よりブレの少ない写真を撮ることができる。体力に自信があればぜひ持っていこう。(BCN・山下彰子)


*今回使用した機材

カメラ:ニコンの「D50」。有効画素数は610万画素、シャッタースピードは30秒から1/4000秒。撮像感度はISO200-1600。なお「D50」は生産終了しており、現在の後継機種は「D40」。

レンズ:シグマの「MACRO 50mm F2.8 EX DG」。最短撮影距離は18.8cm、最大倍率は1:1、明るさを示すF値は2.8。重さは320g、全長は66.5mm。メーカー希望価格は税別3万7000円。なお、筆者は中古レンズを2万円台半ばほどで購入した。
(2007.10.24/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2007-10-24 17:28 | 周辺機器  

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