「パソコンにお祈り」が効いた? また大型受注のインドIT

 22日は東京市場で日経平均株価が大幅に続落し、下落幅は一時549円にも達した。米景気の失速懸念による米株価の下落と円高で今年3番目の下げ幅だったという。私が仕事上関わる国内のIT関連企業も輸出関連銘柄でないにも関わらず多くが大幅な下落にみまわれた。この下落は米国、日本だけでなくアジア全域に広がっているとのことである。しかし、インドのムンバイ証券取引所のSENSEX指数は反対に持ち直してきている。

 9月末に初めて1万7000台に乗せてからわずか半月で1万8000台まで急上昇した。先週途中から再び1万7000台前半に大幅下落したが、それは米国景気とは関係ない。急激なルピー高対策として、インド政府が「海外からの投資資金流入に対し抑制する政策を検討」と発表したことが原因で、先週後半にパニックのように暴落した。一時は下げ幅が9%にも達していたが、22日の終値では1万7600台まで回復した。世界的な株安の中でもビクともしないインド経済の力強さをあらためて感じてしまう。

 インドIT業界も急激なルピー高ドル安で苦しいはずだが、大手はますます攻勢を強めている。18日、IT最大手であるタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)はオランダのニールセン・カンパニーから10年間で12億ドルのアウトソーシング業務を受注したと発表した。新規の1件でこれだけの規模のアウトソーシング案件というのは驚異的である。彼らの成長はとどまることを知らないようだ。




 さて前回も書いたが、日本人IT技術者に対する研修をチェンナイで行っている。1週間遅れで、別の企業の研修も始まった。この10月は2カ所で並行して行われている。研修の内容そのものは違うが、どちらもグローバルなITビジネスを支える人材の育成が目標である。

 日本のソフトウエアのオフショア開発は現在は中国が中心である。欧米志向の強いインドIT企業では日本の企業カルチャーが理解しづらいし、一方で国内でしか活動できない日本のソフトウエア企業にとってインドIT業界は敷居が高すぎる。また、どうしても英語の壁が存在する。インドではなく中国に開発を委託するというのは自然な流れである。

 しかし、大規模開発のマネジメント、高度な専門技術、グローバル市場を目指した製品の開発という点ではインドは中国の比ではない。「日本国内向け」のソフトウエア開発技術者の育成なら、コストは別にしても日本でもできる。新しい観点で技術者を育成する、世界で売るソフトウエア商品を開発するのにはインドは絶好の地である。



 チェンナイだけではない。デリー、バンガロールなどでもこの10月に日本人技術者向けの研修を開催している。最初にチェンナイで4人の若手技術者の研修を始めてから11年、やっとインド研修も定着してきた感がある。



 話は変わるが、先週末はプジャのお祭りだった。生活や仕事で使っている道具を神様として感謝する習わしである。日本でいえば針供養みたいなものか。街を行く車は飾られ、女性はサリー、男性はクルタで正装する。

 ヒンディー教徒以外の社員への配慮から行わない会社もあるが、ソフトウエア会社ではパソコン、デスク、コピー機などに、レストランでは包丁、学校では教科書や筆記用具を祭壇に置き、花や神様の人形などで飾り感謝を込めて僧侶がお祈りをする。経営者も従業員も祈る。IBMとかマイクロソフトのような米国企業でも同じように行っているらしい。

 ただ、その時に米粒を投げるのだが、パソコンのキーボードなどに詰まったらどうするのだろうかと心配になる。道具が壊れないかなどというのは不心得者の邪推であるのだろう。
(2007.10.24/日本経済新聞)
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by fbitnews2006-6 | 2007-10-24 09:47 | PC  

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