成熟するGoogle、今後のカギは新規事業に――ウォール街アナリスト

投資家は、Googleの新規市場への進出、中でも動画広告、企業ブランド広告、モバイルインターネットへの進出が、いつ実を結ぶかに注目している
 米Googleの10月16日の株価は、18日の第3四半期決算発表を控え、過去最高値をわずか3%程度下回る水準で推移した。だが多くの投資家の関心は、好調が予想される最新の決算から、同社が収入源を多角化して長期的に成長を持続できるかどうかに焦点が移りつつある。

 Google株が先週初めに過去最高値の641.41ドルをつけたのは、Web検索市場で同社のシェアが大幅に伸びたことがきっかけだった。このシェア上昇は同社の検索広告事業にプラスに働くからだ。

 投資家の目先の注目点は、Google株が最近の上昇を維持するかどうかだ。同社株は8月中旬以降、30%近く上昇している。その背景には、資金運用者が米国の住宅ローン危機を受け、「安全な」IT企業の株に資金を逃避させたことがある。

 「Googleの増益の大部分は、ここ数週間で株価に織り込まれた」とNollenberger Capital Partnersのアナリスト、トッド・グリーンウォルド氏は語る。

 「Google株が第3四半期決算を受けて上昇する可能性は、非常に小さい」とCitiのアナリスト、マーク・マハニー氏は語る。それでも、同氏は投資家にGoogle株の買いを推奨している。同社株は最近の大幅上昇により、同氏の現在の目標株価600ドルを上回っているが、同氏は第3四半期決算の発表後に目標株価の見直しを検討する考えだ。

 投資家は、Googleの新規市場への進出、中でも動画広告、企業ブランド広告、モバイルインターネットへの進出が、いつ実を結ぶかの手掛かりを探している。

 動画広告事業が本格的な成果を上げるのは、18カ月後以降だろうとマハニー氏は見る。もう1つの巨大市場になりそうなのはモバイル広告だが、同氏は、この事業がGoogleの収益に大きく貢献するのは、3年後からではないかと予想している。

 ウォール街はGoogleに対する価値評価を、2008年までの収益予測に基づいて行っており、その先を視野に入れた評価も開始しつつある。2008年までの収益予測については、上方修正する動きが広がっており、アナリストはこの数週間に、相次いで目標株価を700ドル以上に引き上げている。

 アナリストが設定しているGoogleの目標株価の平均は655.70ドルで、最高は740ドル、最低は545ドルとなっている。

 「それでも、Googleの価値に対するウォール街の現在の評価は、2008年の年末ごろに振り返ってみると、株価も目標株価も低過ぎたということになるかもしれない」とGoldman Sachsのアナリスト、アンソニー・ノート氏は先週、調査リポートで述べた。

 Googleが18日に行う第3四半期決算発表は、今週予定されている多数の大手IT企業の決算発表の締めくくりになる。

 Reuters Estimatesの集計によると、アナリストは、Googleの第3四半期売上高が前年同期比で54%増加し、41.3億ドル程度になると予想している。だが、この数字が意味するのは、広告収入が大部分を占める同社の売上高の伸び率が、前年同期の70%、前々年同期の96%から大きく低下していることだ。

注目のアナリストミーティング
 Googleは、投資家に業績見通しを公表したがらないことで有名だが、18日の決算発表後に行う電話会見では、情報提供に関して通常よりもさらに慎重な姿勢を取るかもしれない。Googleは今後の成長計画の一部については、10月24日に本社で開催するアナリストミーティングで詳細を説明する可能性がある。

 マハニー氏は、Googleは年々成長率が低下し、成熟IT銘柄に変質しようとしており、何によってこの傾向に歯止めをかけるかが、Googleにとって重要な問題だと指摘する。

 同氏は、新規市場や既存事業の成長の加速により、売り上げや利益の伸びの鈍化が食い止められるだろうと見ている。

 あるいはまた、Googleは多額の費用を投じて新規スタッフの採用を進めているが、キャッシュフローを増やすために、こうした支出の削減を図る可能性もある。

 調査会社comScoreのデータによると、4~6月期に米国消費者向けWeb検索市場でGoogleのシェアは約54%だったが、7~9月期に57%に上昇した。同社は世界市場ではさらに高いシェアを握っている。

 Google株の現在の株価収益率(PER=株価÷1株利益)は、2008年度の1株利益のコンセンサス予測(アナリストの平均予測)である20ドルを基準にすると、31倍程度となっている。2009年度の1株利益のコンセンサス予測は出始めたばかりだが、これに基づくPERは25倍とより穏当な水準だ、とグリーンウォルド氏は語る。

 これに対し、2008年度1株利益のコンセンサス予測に基づくAmazonのPERは、59倍に上る。成長率がGoogleの5分の1にとどまるYahoo!の同じ基準によるPER(日本と中国の傘下企業を含む)も約26倍となっていると、グリーンウォルド氏は指摘する。

 Reuters Estimatesによると、Google株に対する証券会社と投資アドバイザーの投資判断は、23社が何らかの形の「Buy」(買い)、2社が「Hold」(持ち高を維持)、1社が「Sell」(売り)となっている。
(2007.10.17/ロイター)
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by fbitnews2006-6 | 2007-10-17 18:40 | インターネット総合  

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