アキバ史に残るか? 2007年初秋――大型店舗の「明」と「暗」

 9月6日にソフマップタウンの軸となる「ソフマップ秋葉原本館」がオープンし、台風9号の影響にも関わらず長蛇の列ができた。一方、ザ・コンと石丸電気各店は閉店セールを実施している。

●雨ニモ負ケズ800人の列――ソフマップ秋葉原本館「誕生」

 9月6日、秋葉原地区の系列店を再編して構成する「ソフマップタウン」の中心店舗となる「ソフマップ秋葉原本館」がオープンした。午前10時の開店時には800人ほどの行列ができており、終日店内は混み合い、大盛況の幕開けとなった。

 当日は台風9号が日本に向かっており、時折強い雨が降っていた。行列の先頭に並んでいた男性は「ぼくは朝5時からですけど、本当は昨日の17時から並んでいる人がいたんです。途中の大雨で別の場所に避難して、戻ってきたときにたまたまぼくが一番になっただけ」と話していた。

 悪天候の中、辛抱強く開店を待っていたものの、特に目当ての商品は決めていなかったという。先頭の男性は「とりあえず並んでおこうって感じ」と、駅前で配っていたチラシを片手に語った。

 ソフマップタウンは秋葉原本館を軸に、電気街の系列店からなるソフトタウンとPCタウンで構成される。秋葉原本館では美容器具や白物家電も扱うためか、行列の中に女性の姿を多く見かけた。「これまでアキバを訪れたことのないような層を取り込みたい」という、ソフトマップの狙いどおりの客層が集まったように見える。

 そのためか、周辺のPCパーツショップは、同店のオープンに対してそれほど関心を寄せていない。某ショップは「秋葉原本館は我々(PCパーツショップ)ではなく、向こう側(ヨドバシカメラ)を意識した店舗だと思います。近くに大型店舗ができることは歓迎しますが、こちらの集客にはあまり影響がないでしょうね」と話していた。

 むしろ、9月13日から本格始動するPCタウンに興味を持ったコメントのほうが多い。TSUKUMO eX.は「ソフマップさんがPCパーツを見捨てなかったというのは、素直にうれしいですね。今後も深夜販売などで盛り上がっていけたらと思います。まあ、主役の座は簡単には渡しませんが」と笑っていた。

 ソフマップ秋葉原本館が“誕生”キャンペーンで盛り上がっているのとは対照的に、アキバの老舗店舗2店は閉店セールを行っている。LAOXザ・コンピュータ館は、閉店日を9月30日から20日に変更し、大々的に売り尽くしセールを実施。また、石丸電気系列の4店舗も、6日から大幅改装のために閉店処分セールを始めた。

 大型店舗の開店と閉店が同時期に集中しているが、電気街の反応は薄い。某PCパーツショップの店員さんは「総合家電ショップがつぶれたり増えたりしても、ウチは関係ないです。家電はすでにアキバの顔ではなくなっているので」と静かに語った。

●周囲のコンデンサやチップセットを冷やせる「Silver Wind」にヒットの予感

 CPUクーラーは2006年10月から、サイズ「ANDY SAMURAI MASTER」が一番人気を独走しているが、その対抗馬と期待される製品がAeroCoolから登場した。LGA775とSocket AM2/940/939/754に対応する「Silver Wind」で、価格は4500円前後。在庫は潤沢だ。

 Silver Windは約9センチのファンをフィンで囲んだデザインで、CPUを冷却するとともに周囲にもまんべんなく送風できるのが特徴。筐体サイズは直径130×高さ95ミリだ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「ANDYは冷却性能に優れているだけでなく、エアフローでコンデンサやチップセットも冷やせるのが強み。Silver Windもまったく同じ特徴を持っています。また、ANDYにくらべて小さいので干渉しにくいメリットもあります。これは売れるでしょう」と期待していた。

 同じタイミングで、GeForce 8800/8600/8500やRADEON 1900/1800などに搭載できるVGAクーラー、AeroCool「Double Power」も入荷していた。価格は4000円弱で、在庫は潤沢だ。VGA用のヒートシンクとファン付きフィンがヒートパイプで結ばれたデザインで、背面スロットにファンコントローラーを固定できる。

 高速電脳は「GeForce 8800への対応をうたっているのは頼もしいですね。ただ、メモリは冷やせないので、その辺を考慮して8600くらいに装着するのが得策かも」と話していた。

 なお、日本未発売モデルながらもT-ZONE.PC DIY SHOPでデモ展示しているCPUクーラー「IFX-14」も注目を集めている。こちらは2塔の巨大フィンに加え、バックパネルから伸びる小型フィンを組み合わせたユニークな製品。「リブなしなら14センチファンを2基装着できない」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という。サーマルライトブランドで年内に発売される可能性があるそうだ。

●ロジクールから個性派マウス2モデル

 今週の金曜日から、ロジクールの個性的なマウスが発売される。すでに予価の発表や予約受付を行っているショップもあり、潤沢な入荷数が予想されている。

 その1つ「MX Air」は、卓上だけでなく空中でも操作できる機能を備えたマウスだ。Wiiリモコンのように、マウスを左右に振ったり手首を回転させることで、メディアプレーヤーの音量調整などが行える(関連レビュー:孤高の存在か、革命的な先駆者か――ロジクール「MX Air」)。

 フェイス秋葉原本店は「空中で操作するマウスはプレゼン用などが多いですが、MX AirはリビングPC向けに特化しています。高価な製品なので近々の売れ行きは微妙ですが、ハイビジョンコンテンツをPCで楽しむスタイルが浸透したら徐々に売れてくるでしょうね」と温かい目で見守っていた。

 当面の売れ筋として期待されるのは、「VX Nano Cordless Laser mouse for Notebooks(VX-N)」だ。解像度800dpiのレーザーセンサを搭載したワイヤレスマウスで、レシーバーが14.4(幅)×18.7(奥行き)×6.1(高さ)ミリと非常に小さいのが特徴。USBポートに挿すと、約8ミリしか張り出さない。

 クレバリー2号店は「モバイル用にワイヤレスマウスを使うにも、レシーバーをじゃまに感じる人が多かった。VX-Nならレシーバーをノートに挿したままでも全然気にならない。性能を考えれば価格もそれほど高くないので、欲しい人は多いでしょう」と語る。

●ギガバイト製電源ユニットとASUSTeKのサウンドカードに注目が集まる

 今週の水曜日、ギガバイトの電源ユニット「ODIN GT」が複数のショップに入荷した。定格電力が800ワットと550ワットの2モデルあり、800ワットタイプは3万円弱、550ワットタイプは1万8000円前後で出回っている。どちらも在庫は少数だ。

 ODIN GTは付属ソフト「P-Tuner」を使って、ファンの回転数や電圧の調整、消費電力の監視などが行えるATX電源。「ソフトで設定できる電源はこれまでなかったと思います。ファンコントローラなどにこだわるユーザーに人気を集めそうですね」(TSUKUMO eX.)という。

 なお、特に人気を集めているのは550ワットタイプというショップが多かった。「800ワットなら電圧を調整しなくてもほとんどのマシンで使えますし。P-Tunerの醍醐味を味わうなら、SLIなどを構築したハイスペックマシンを550ワット電源で動かすのが一番楽しいですよ」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことだ。

 同じく水曜日に、ASUSTeKからサウンドカード「XONAR D2/PM」が発売された。価格は2万円前後で、在庫は潤沢だ。

 XONAR D2/PMは8chサラウンド出力が可能なPCI型のサウンドカードで、S/N比は118デジベルとなる。高価な製品のため様子見のユーザーが多いが、週末にかけて徐々に人気が出ると予想するショップがいくつかあった。

 ツートップ秋葉原本店は「映像と音の負荷を分散させたいヘビーゲーマーに人気が出そうですね。サウンドカードはクリエイティブメディアとオンキヨーが強いですが、ゲーマーが好むのは昔からクリエイティブメディア。XONAR D2/PMがどれだけ食い込んでいけるかが見物ですね」と話していた。
(2007.9.8/+D PC USER)
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by fbitnews2006-6 | 2007-09-08 11:36 | PC  

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