ターニングポイントに立った電気街


8月のアキバは、LAOXザ・コンピュータ館の閉店とソフマップタウンの始動が注目を集め、電気街の大きな変化を予感させた。自作PC関連ではHDコンテンツを扱うパーツが好調。
LAOXザ・コンピュータ館閉店を世に知らせるきっかけとなった「めいどinじゃぱん」の告知 8月3日、古くからアキバ電気街のランドマークとして親しまれてきたLAOXザ・コンピュータ館の閉店が正式に発表された。閉店は9月30日を予定しており、地下に店舗を構えるメイド喫茶「めいどinじゃぱん」なども同ビルからの撤退を余儀なくされる。

 周囲にはザ・コン閉店の衝撃が走ったが、ある程度の予想ができていたショップが多く、「在庫管理や店内レイアウトなど、色々と参考にさせていただいた。寂しい限りです」など、残念に思いながらも、少し距離をとった位置からのコメントが多数を占めている。

 ほかのショップが冷静であるのは、すでにLAOXザ・コンピュータ館に依存しない集客を実現している現実があるためだ。また、入れ替わるように始動するソフマップタウンの存在も大きい。

 ソフマップタウンは、ヤマギワ本館跡地に9月6日からオープンする「ソフマップ秋葉原本館」を軸に、既存の周辺系列店14店舗で構成する、秋葉原地区の新しいソフマップの店舗展開の総称だ。

 あるPCパーツショップは「ランドマークには、集まった人が周辺も回遊する波及効果を期待したい。その点で、ソフマップタウンは電気街の各所にある店舗を利用するので、文句ないですね」と、大型店舗の再編案を支持していた。

 街が実際に変化するのは今月以降となるが、電気街全体はLAOXザ・コンピュータ館閉店による落ち込みより、ソフマップタウンへの期待感に満ちているようだ。



LG電子「GGC-H20N」。在庫は少数だが、同じ価格帯でまもなく他社製品も登場する予定だ 単体の地デジチューナーカードが出回らないこともあって、メーカー製PCでHD映像の録画が当然となった現在でも、自作PC市場ではAV用途のパーツが注目を集めることは少なかった。しかし、今年8月になってようやく、Blu-ray DiscやHD DVDといった次世代DVD関連製品が人気を集め出している。

 その象徴的な製品は、8月25日から出回っているLG電子の光学ドライブ「GGC-H20N」だ。BD/HD DVDの各メディアが読み込めるうえ、DVD/CDメディアの書き込みに対応するマルチドライブで、価格は4万円弱に抑えられている。

 コンテンツ製作会社が、BDとHD DVDのどちらの陣営に着くか注目されているが、ある店員さんは「将来予測せずに安心して長く使えるのだから、そりゃ売れますよ。BDとHD DVDのコンボドライブは、技術というより政治的にリリースできていなかったので、GGC-H20Nをきっかけにこれからガンガン増えると思います」と語っていた。

 また、7月末に登場した、HD映像をD4端子経由で表示する「Monster X」は、発売後数日で売り切れたが、8月になって2度の再入荷があり、現在は比較的入手しやすい状況が続いている。保証外のある手順を踏むことでビデオキャプチャが可能になるという「グレーゾーンな使い方で人気」(某ショップ)の製品だが、当初心配された発売中止の憂きめにはいまのところさらされていない。「次世代DVDの人気に拍車をかける製品であることは間違いないでしょう」と、強気に話すショップもあった。

 これらHD映像を楽しむアイテムが登場するのと併行して、HD映像の出力処理がほぼ単体でこなせる機能を搭載したRADEON HD 2400/2600カードの人気も高まっている。「AVに関してはGeForceよりもRADEON HDのほうが上。最近はゲームをやらないユーザーも3万円以上のグラフィックスカードを買っていきます。そろそろHD映像ブームが来たという感じでしょうかね」と、最近の動向を象徴するコメントも複数のショップで聞かれた。

手持ちの“弾”を撃ち尽くしたAMD。次はいよいよPhenomか!?

多数のユーザーが詰めかけて盛り上がった「AMDの夏祭り」 お盆休み真っ直中の8月12日に、AMD主催イベント「AMDの夏祭り 兄貴だ!Phenomだ!3.0GHzだ!」が開かれた。ここでAMDは「Athlon 64 X2 6400+ Black Edition」を発表。次世代のブランド「Phenom」が年内に登場することを強調した。

 イベントでの告知どおり、20日には6400+ Black Editionが各ショップの店頭に並んだ。価格は3万2000円前後で、限定品ながらも在庫は潤沢。また、30日には通常モデルで最上位の6000+が、TDPを125ワットから89ワットに下げて登場した。こちらの価格は2万5000円~3万1000円となっている。

 ただし、いずれのモデルも発売直後は、好調な売れ行きがあまり期待できない様子だった。某ショップは「6400+はハイエンド向けなのでコアなユーザーにだけ売れればOK。6000+はもうちょっと伸びてほしいけど……多くのAMDユーザーが次に乗り替えるのはPhenomでしょうね」と語っている。

 ネイティブクアッドコアCPU「Phenom X4」を含むPhenomシリーズの登場は、早くて年末ごろと噂されている。T-ZONE.PC DIY SHOPは「それまでにユーザーを飽きさせないことが重要ですよね。低消費電力のAthlon X2 BEシリーズを拡充すると思うのですが、投入するタイミングが肝心」と、今後のAMDの“弾”を期待していた。


AMD「Athlon 64 X2 6400+ Black Edition」。動作クロックは3.2GHz(写真=左)。今後のヒットが期待されるTDP 89ワットのAthlon 64 X2 6000+。価格は旧モデルより2000~4000円高く設定されている(写真=右)

「ニッチだけど、水冷システムは確実に定着した」
 “2007年の水冷キットの目玉商品”と目されていた、ザルマンの「RESERATOR XT」が8月10日に登場した。RESERATORでは初めてファンを内蔵したモデルで、ボックス型の外付けラジエーター兼ポンプにCPUブロックをセットしている。5万7000円弱の高価な製品とあって、大ヒットを期待するショップは少ない。

 ただし、「水冷キットのブームは去ったので、確実にほしい人だけが買っていきます。そういう意味では価格よりも性能にこだわったのは正解ではないでしょうか」(某ショップ)と、現在の市場にマッチした製品との評価も受けているようだ。


 また、サーマルティクも24日に水冷システムをリリースしている。外付けラジエーター「TMG2 CL-W0098」で、価格は8000円前後。一式をパッケージした水冷キットではなく、ほかのパーツと組み合わせて使う製品だが、「サーマルティクは複数の太さのチューブが装着できる工夫をしているので、(ほかの製品と)合わせやすい。すでに水冷キットを持っているユーザーが強化するには手ごろです」(PCパーツショップ・CUSTOM)と、ショップの評価は上々だ。

(2007.9.4/IT Media)
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by fbitnews2006-6 | 2007-09-04 13:21 | PC  

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