この夏も好調デジタル家電、デジ一眼は60%、薄型テレビは27%の前年比増




 猛烈な暑さにエアコンや扇風機が飛ぶように売れたと言われる夏商戦だが、梅雨明けが長引いた前半戦、薄型テレビをはじめ、主要なデジタル家電・パソコン周辺機器は好調だったようだ。「BCNランキング」で7月の前年同月比を集計したところ、台数ベースではおおむね5-30%増を記録した。そこで、この夏のデジタル製品商戦を「BCNランキング」でまとめた。


●薄型テレビは前年同月比127.9% デジタル一眼やノートPCも好調

 昨年以来、家電量販店の目玉商品となっている薄型テレビだが、液晶テレビとプラズマを合算した薄型テレビ全体では、この7月の販売台数で前年同月比127.9%を記録。その薄型テレビとセットで購入するケースが多いと見られるHDD-DVDレコーダーは、アナログチューナー内蔵モデルを含めた全体では前年割れの91.2%に終わった。ただし、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを内蔵した地上デジタル放送対応モデルに限れば前年同月比157.7%と拡大した。

 薄型テレビが好調を維持する中、減速が目立つのがプロジェクターだ。販売台数で前年同月比72%と縮小傾向。市場規模自体も薄型テレビに比べればはるかに小さい。大画面薄型テレビの価格が下がるにつれ、一般ユーザーは薄型テレビを購入し、プロジェクターは「ホームシアター」などを求める人たちに、ユーザー層が絞られてきた、ということも背景にありそうだ。

 パソコン関連では、ノートPCが前年同月比107.9%、外付けHDDが108.1%、マウスが107.9%など軒並み好調だったが、デスクトップPCは80.3%、携帯オーディオは86.8%で前年を下回った。また、意外なところでDVDプレーヤーが健闘。DVDプレーヤー全体で127.1%、さらにポータブルタイプに絞ると158.9%と、前年に比べ大きく伸びている。


 デジタルカメラはコンパクトタイプは98.9%で前年並みだったが、デジタル一眼レフは160.4%と大幅増。とくに、メーカー別で7月の販売台数1位のニコンは前年比248.5%、2位のキヤノンは同159.4%を記録した。全体の伸びもさることながら、ニコンの爆発的な伸びが目立つ。ちなみにデジタル一眼レフカメラのメーカー別販売台数シェアは、06年12月以降07年7月まで8か月連続でニコンが2位以下に3-15ポイントの差をつけ1位をキープしている。しかし、これから各社とも新製品の発売を予定しており、その動向が大いに注目される。

●Core 2 Duo搭載ノートPCが1万円強ダウン 薄型テレビは下がらず

 それでは、価格はどう動いたのか? 「薄型テレビ」と「ノートPC」について、6月最終週(07年6月25日-7月1日)から直近の8月第3週(07年8月13日-19日)までの税抜き平均単価の推移と、6月最終週の値を1とした平均単価の下落率を集計した。

 6月最終週の時点で、薄型テレビ全体の平均単価は14万円台前半。その後いったんは14万円を切ったが、8月第3週は14万円台前半に戻った。画面サイズ別では、最も人気の高い32V型は12万円台でほぼ落ち着いており、2位の20V型、3位の37V型も変動は小さかった。8月になれば下がるはず、と購入を見送っていた人は、期待外れに終わったかもしれない。ただ、40V台でもっとも販売台数の多かった42V型は6月最終週から8月最終週の約2か月間で1万4000円程度下がっており、大型製品の値下がりはまだ期待できそうだ。

 ただ、率でみると、最も価格が下がった42V型でもわずか5.7%。長期的なスパンでは今後も値下がりは続くだろうが、価格下落率は緩やかになってきている。各社とも、今後発売する秋冬商戦向けの新モデルではフルHDや倍速駆動など付加価値を高める「プラスα」に力を入れており、量販店の展示も大型モデル中心にシフトしている。すでに「32V型は小型テレビ」とみなす大手量販店もあり、大型/小型の境界線も変わるかもしれない。

 一方、ノートPCの値下がりは激しかった。6月最終週は13万円前半だったノートPCの平均単価は、7月の半ばにメーカー、量販店が一斉に値下げに踏み切ったと見られ一気に4000円ほど値下がりし、その後も下落傾向が続いた。直近の8月最終週の平均単価は12万円台前半。量販店では実質10万円前後や10万円を切る価格で購入できる機種も少なくない。モデルチェンジ前の在庫処分や夏休みセールの余波を受け、価格が下がっている。

 なかでも値下がり幅が大きかったのは、CPUにデュアルコアCPUを搭載したやや価格の高めのモデル。多くのメーカーが上位モデルに採用するインテルのデュアルコアCPU「Core 2 Duo」を搭載したノートPCの平均単価は6月最終週の16万円台後半から、8月第2週(07年8月6日-12日)には15万円台まで下がった。

 下落率は7%とはいえ、この間、それほど下がらなかった廉価なCeleron M搭載モデルとの価格差が縮まり、値ごろ感が一気に増した。こうした上位モデルの価格低下が、この夏の好調の要因だろう。今後も続けば、ノートPCの買い替え・買い増し需要を刺激するに違いない。

●値下がり傾向はいつまで続く?

 ガソリン代をはじめ、原油高や原材料・人件費の高騰を理由に値上げされる製品やサービスが増えている。食材など身近な日用品まで影響は及びつつある。デジタル製品は価格低下と同時に性能強化が続いてきたが、今後はおそらく、薄型テレビやデジタルビデオカメラのように「フルハイビジョン」や「他の機器とのリンク(連携)」などをキーワードに製品の付加価値をつけることで単価アップが図られるものと、機能はそのままに低価格化が進むのものに分かれるだろう。

 ただし、発売中の製品が急に価格が下がった場合は、モデルチェンジが近い証。次のモデルでは、性能が大幅に強化されるかもしれない。逆にラインアップから消えたり、デザインや機能が自分の好みと合わなくなってしまうこともありうる。量販店のPC売り場の店員も「新製品をいつまでも追っていてもキリがない」と話しており、まず、自分の用途を冷静に考えてから、どの製品を選ぶかを決めたい
(2007.8.29/BCN)
[PR]

by fbitnews2006-6 | 2007-08-29 15:04 | 周辺機器  

<< USB直差しタイプが半年で倍増... WSJ-グーグルのレイエスCF... >>