“お家芸”揺らぐ信頼 リチウム電池不具合頻発





■コスト削減影響? 品質管理に甘さ
 携帯電話などに使われるリチウムイオン電池で、日本メーカーの製品に発火や異常発熱の不具合が頻発している。ソニーや三洋電機に続いて発覚した松下電器産業子会社の問題では、4600万個という空前の回収規模となった。リチウム電池は国内大手で世界市場の7割を占める得意分野だけに、日本の「ものづくり」が問われかねない事態となっている。
 リチウム電池は従来のニッケル水素電池などと比べて容量が大きく、急速充電できる特徴がある。小型・軽量化するノート型パソコンやデジタルカメラなど搭載製品が増え、市場は年率2ケタ増ペースで伸びている。
 携帯電話向けリチウム電池の世界シェア(市場占有率)は首位の三洋、2位のソニーに加え、問題となった4600万個を製造した松下電池工業で計7割近くを占める。
 その“お家芸”ともいえる分野で、昨年から失態が相次いだ。ソニーはノート型パソコン向け電池で960万個、三洋も携帯電話向けで130万個を回収・交換。関連費用はソニーが510億円、三洋が40億円にのぼり、ソニーは業績の下方修正を余儀なくされた。
 今回の松下電池では、ソニーや三洋を大きく上回る4600万個が対象だ。回収費用は数百億円規模になり、平成21年度に売上高10兆円を目指す松下電器の経営への影響は避けられそうにない。
 松下電池は、「利用者にこれ以上の迷惑をかけないことに全力を挙げる」(広報担当者)としている。しかし、昨年の携帯向けリチウム電池の生産能力が約6300万個だった同社には、交換用の代替電池の生産確保も重荷となりそうだ。
 相次ぐリチウム電池の不具合だが、原因の多くは「製造過程の単純なミス」(大手メーカー関係者)と指摘されている。ソニーの場合、製造工程での異物混入が原因と判明した。
 松下電池は、電池内部で電極を仕切る絶縁体に傷がつき、ショートの原因となった可能性が高いとし、「納入製品の製造時期に実施した作業工程の変更が絶縁体の傷につながった」とみている。
 メーカーは激しい価格競争にさらされ、品質とコストの両面をにらみながら、製造工程の改善を繰り返している。ただ、コスト削減努力が結果的に、製品の安全に直結する品質管理の甘さにつながったとの見方もある。
 不具合の頻発を受け、経済産業省はリチウム電池を消費生活用製品安全法による規制対象に加え、安全管理を厳格化する方針。メーカー各社は、安全確保の一層の徹底が求められることになる。

(2007.8.18/産経新聞)
[PR]

by fbitnews2006-6 | 2007-08-17 15:57 | 周辺機器  

<< 仮想アイドル伊達杏子6年ぶり復活! 任天堂やSCE、新作ソフトをダ... >>