Googleの手を借りてiTunesに対抗する新興音楽サービス


UniversalのDRMフリー楽曲販売で浮上した新興のデジタル音楽ストアgBoxは、「GoogleやSNSからの紹介」という他社とは違うアプローチを採っている。

 iTunes Storeの独占を切り崩そうとするオンライン音楽サービスの1社に、新興企業の米gBoxが加わった。

 gBoxはこれまで表面に出ることがなかったが、Universal Music Groupが8月9日遅く、コピー防止技術を組み込まないデジタル音楽の試験販売を行うと発表したことに伴い、その存在が明らかになった。

 gBoxのタミー・アーティムCEOが10日に語ったところでは、このプログラムは、Universalが検索大手の米Google経由で購入する広告を通じ、gBoxが紹介される仕組みになっている。

 契約に基づきGoogleは、売り上げの一部ではなく通常の広告料金を受け取る。この広告は、Googleユーザーがアーティスト名など特定の単語を検索すると表示され、gBoxにユーザーを誘導する。

 UniversalおよびgBoxとの契約は、Googleの音楽検索サービスとは別のものになる。Googleの音楽検索は、特定のアルバムやアーティストを検索したユーザーをオンライン音楽ストアに誘導するサービスだが、Googleによれば紹介料は受け取っておらず、リンク先の小売りサイトも1社に限定していない。

 Googleは、自前の音楽ストアを構築するつもりはないと表明しており、今回の契約は広告に基づく関係だと強調している。

 gBoxの楽曲は1曲99セント。Universalが試験販売する楽曲については、デジタル著作権管理(DRM)技術を組み込まないバージョンのMP3をgBoxで提供する。DRM対応バージョンも同じ価格で販売予定。

 DRMは、楽曲のコピーやCDへの記録を防止・制限するための技術。

 DRMは違法コピー防止の役に立つこともあるが、コンシューマーにとっては再生できる機器やコンピュータの台数が制限され、イライラの種になり得る。

 市場最大手のAppleのiTunes Storeで買ったDRM付きの楽曲は、通常、同社の人気デジタルプレーヤーiPodでしか再生できない。また、gBoxなど競合する音楽ストアで買ったDRM対応の楽曲は、iPodでは再生できない。

 インディーズ系レーベルでは何年も前からコピー制限をかけずに楽曲を販売しているところも多いが、大手音楽会社は抵抗していた。

 しかし今年に入り、英EMI Groupが音楽大手として初めてDRMフリーの楽曲販売に踏み切り、高音質でコピー制限をかけない楽曲をAppleが販売することを認めた。

 Vivendi傘下のUniversal Music Groupの試験販売は、同社の楽曲のごく一部しか対象にならないが、Universalが世界最大手のレコード会社であるという点で意味は大きい。ほかの大手レーベルも後追いするかもしれないという展望が開けるからだ。

 Universal Musicは8月21日から1月31日まで、DRMフリーの楽曲をAmazon.com、Wal-Mart Stores、Best Buy、RealNetworksのRhapsodyといった音楽小売りサイトで販売するが、UniversalがGoogle経由で紹介するのはgBoxのみとなる。

 gBoxの正式立ち上げは8月21日の予定だが、サイトには既にソニーやインディーズ系レーベルの楽曲が掲載されている。アーティム氏によると、同社はほかのレーベルとも交渉に当たっているが、正式立ち上げまで内容は明かせないという。

 同氏によると、gBoxはほかの大手レーベルともUniversalのようなDRMフリーの楽曲販売について折衝中だが、まだ話し合いが続いている段階だという。

 gBoxはWindows搭載のコンピュータでMicrosoftのInternet Explorer(IE)に対応するだけでなく、立ち上げまでにはFirefoxにも対応する予定。

 ただ、AppleのMacには対応しない。DRMフリーの楽曲はどんなコンピュータでも対応できるが、DRMバージョンはそうではなく、gBoxはユーザーを混乱させることを望まないとアーティム氏は言う。

 gBoxは「ウィッシュリスト」機能も開発中だ。これはユーザーが自分のブログやNews Corp.のMySpace、Facebookといったソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のプロフィールにソフトウェアコードを置いて、そのブログやプロフィールを訪れた友人らがgBox経由で楽曲を購入できる機能になる。

 GoogleやSNSからの紹介に頼るという点で、gBoxは他社とは違ったマーケティング手法を採っている。他社はユーザーにストアのホームページを訪れてもらい、新しい楽曲を見つけてもらって購入を促そうとする傾向がある。

 「販促活動を行ってハイウェイ101号線の屋外広告でgBoxの閲覧を促すよりも、過去に各社が成功を収めてきたバイラル的要素を活用したいと考えている」とアーティム氏は話している。
(2007.8.13/IT Media)
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by fbitnews2006-6 | 2007-08-13 15:43 | インターネット総合  

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