社内ブログ・SNSを効果的に使うには──「目的」「時間」「外部」を考える





 社内にブログやSNSを設置する企業が増えている。社員間の情報共有や社員からの情報をWeb2.0的に集められるツールとして評価されているようだ。その一方、社内SNSやブログを常時設置する効果に疑問の声もある。

●書き込むことが目的化すると“社内ブログオタク”が増える

 7月18日、コクヨが主催したセミナー「SaaSがワークスタイルに与える影響」で、中内学園流通科学研究所の福井誠教授はこう指摘する。「社内にブログやSNSを常時設置するようになると、更新することに執着する“社内ブログオタク”が増えるだけ」。本来の目的がぼやけてしまうのだという。

 そもそも、社内ブログのようなデジタルコミュニティの仕組みは、各社員が持っている情報を共有したいという現場側の要求に加え、社内の活動情報を人事評価などのマネジメントに活用したい経営層の思惑もある。社内活動を電子化することで、ワークフローの“見える化”などにも効果がありそうだ。業務の透明化を求める内部統制にも関連してくる。

 こうしたメリットがあるとはいえ、福井教授は社内コミュニティを常時設置することに批判的。常時設置することで、コミュニティに書き込まれることが日常業務から離れすぎてしまうのを危惧している。会社と個人のブログの境目がなくなり、ブログの更新自体が目的になってしまったら、本来の業務がおざなりになるかもしれない。

●「時間を区切る」というコミュニティのあり方

 社内コミュニティを効果的に利用したケースはあるのだろうか。例えば、全世界十数万人のIBM社員がネットワーク上でイノベーションのアイデアを出す「Innovation Jam」が有名。直近では2006年7月と9月に開催し、IBM社内だけでなく67の同社の顧客企業を含む104カ国15万人以上の参加者を集めた。合計72時間のセッションでは4万6000件以上のアイデアが出た。

 常設の社内コミュニティであれば、だらだらと日記的な内容になってしまうかもしれない。福井教授によれば、Innovation Jamが成果を挙げたのは72時間に時間を区切ったからだという。

●社内コミュニティを外部とのコラボレーションに


 注目するのは時間だけではない。社内コミュニティは通常、会社組織の内側に向かう“求心力”を高める仕組みだ。ところが、最近のワークスタイルは外部とのコラボレーションが増加しており、Innvation Jamでも外部の顧客企業を巻き込んだ。会社外部に向かう“遠心力”の上手な活用例とも言えそうだ。

 「最近のオフィスの場合、ゲストは玄関までしか入室できないことが多い。入れても応接室どまりだ。セキュリティを考えれば机の脇まで歩いていけるなんてことは危険なのは承知しているが、以前であれば、客先のFAXやコピー機にコクヨの紙製品が使われているかどうか確認できたのに……」。外部との協業志向、すなわち遠心力が増加しているにもかかわらず、近ごろのオフィスはむしろ閉じられた空間になっている。「昔のように客先と暗黙知を交換するようなことはなくなってしまっている」というわけだ。

 ブログやSNSなどWeb2.0といわれる技術を社内システムに活用するという「Enterprise2.0」の動きが加速しているが、Web2.0的な技術を移植しただけの社内ブログやSNSでは、社内の物理的な壁や組織的な壁を超えるまでには至らないのが現状だという。すべての会社でInnovation Jamを開催すべき──とまでは言わないが、社内コミュニティの目的を再度見つめ直すこと、時間を区切ること、外部と連携することなどを、御社のコミュニティでも考えてみてははいかがだろうか。
(2007.7.20/ITmedia Biz.ID)
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by fbitnews2006-6 | 2007-07-20 08:23 | インターネット総合  

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