<ケータイ小説>女子中高生に人気 体験もとに刺激的場面も




 小説を携帯電話の画面上で読んだり書いたりする「ケータイ小説」が、女子中・高校生を中心に人気を呼んでいる。初めて小説を書いた無名の若者の作品が携帯を通して多くの読者を獲得し、出版されるとベストセラーになることも珍しくない。「本を読まなくなった」と言われる、いまどきの若者を引きつける理由は
 6月に発表された日販の07年度上半期ベストセラー。単行本フィクションの部で「赤い糸(上・下)」(著者・メイ、計100万部)と「もしもキミが。」(同・凛、40万部)が1、2位になるなど、ケータイ小説5冊が10位までに入り、関係者を驚かせた。
 ケータイ小説には出版社が運営し有名作家の作品が読める有料サイトもあるが、これらの作品が生まれたのは「魔法のiらんど」など、誰でも参加できる無料の携帯サイト。書き手、読者とも10代前半から20代前半が中心で、大半が女性だという。サイトで人気を得た作品は書籍化される。
 先駆けはYoshiさんが00年に発表した「Deep Love」で、05年秋に「天使がくれたもの」(同・Chaco)が出版されるとブームに火がついた。昨年のヒット作「恋空」(同・美嘉)はサイトで延べ1680万人が読み、本は上下巻で計100万部を突破した。
 内容は書き手の体験をもとにした一人称の恋愛小説が多く、「セックス」「妊娠」「レイプ」「死」「リストカット」など刺激的な場面が多い。ほぼ1文ごとに改行され、場面描写は少ない。
 東京都内に住む中2の女子は「恋人が難病にかかるなど似通った展開が多いけれど、語り口が自然なのでつい引き込まれてしまう」と魅力を語る。
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 書いているのはどんな人だろう。上半期9位の「クリアネス」は、昨年始まった日本ケータイ小説大賞の大賞受賞作品。筆者の十和(とわ)さんは大阪で働く26歳の女性。売春する女子大生と出張ホストの出会いを描いた。実体験ではないが、「満たされていないという思い」を吐き出したかったという。「悩み事を話してすっきりする感覚に近いかも」と打ち明ける。
 ケータイ小説も書く作家の内藤みかさん(36)は、ブームを「昔の交換日記のノリ。場が携帯に移り、多くの人が読めるようになった」と分析。読者の感想などから▽本のようにかさばらない▽親や友人に見せられない内容をこっそり読める▽いつでもどこでも読める▽ベッドで照明をつけなくても読める――などの利用方法が浮かぶ。「手間を惜しむのが現代なんでしょう」と苦笑する。
 最近は男性の書き手も増え、サスペンスやホラーなど、恋愛以外のジャンルも増えている。
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 ブームが過熱する中、過激な性描写などを懸念する声も出始めた。子供のネット遊びを調査している群馬大の下田博次教授(情報メディア論)は「大人への反抗や性への過剰な興味など、思春期の子供に反社会性はつきものだ。かつては大人がチェックできたが、ケータイ小説では難しい」と危惧(きぐ)する。
 また「ケータイを持ったサル」などの著書がある京都大霊長類研究所の正高信男教授(比較行動学)は「横並びが好きな日本人は、新聞などで周囲の情報を集めてきた。今はケータイ小説が新聞小説の代わりになっているのでは」と話す。
(2007.7.4/毎日新聞)
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by fbitnews2006-6 | 2007-07-04 14:33 | 周辺機器  

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