トランスコスモスなど、現実の世界を反映した3Dコミュニティ「meet-me」


 トランスコスモス、フロム・ソフトウェア、産業経済新聞社の3社は5日、コミュニティ事業を展開する合弁会社「株式会社ココア(Co-Core)」を設立したと発表した。ココアではPC向け3Dバーチャルコミュニティ「meet-me」アルファ版を2007年冬に開始する。

■ 現実の区画や建物をコミュニティ内に再現

ココアは2007年3月12日に3社が共同で設立し、資本金は1億円。3Dバーチャルコミュニティ「meet-me」の運営に加えてオンラインゲームや家庭用ゲーム、携帯情報端末向けコンテンツの企画や開発を手がけるほか、キャラクター商品の企画や開発、ネット上での電子商取引や情報収集および提供、ネット広告といった事業も手がけていく。代表取締役にはトランスコスモス専務取締役の森山雅勝氏が就任する。

 2007年冬に開始予定のmeet-meは、カーナビと同等のデジタル地図データを用いることで実在する道路や住宅の区画をバーチャルコミュニティ内に再現。さらに街のシンボルとなる建物やランドマークもコミュニティ内に用意。現実の季節や天候、地価などもコミュニティ内に反映し、現実世界とコミュニティがオーバラップするような世界観を提唱するとしている。

 サービス開始当初は東京エリアのみがコミュニティ内に反映されるが、将来的には他の道府県エリアも展開予定。コミュニティ内はオリジナルのグッズをユーザーが制作することも可能なほか、当初から提供されているランドマーク以外の場所にオリジナルの建物を作り、そこで生活することも可能だという。

 サービス形態はPCにソフトウェアをインストールする形式を採用。詳細なスペックなどは未定だが、Windows Vista上で最適稼働するクオリティを目指しているという。ただし、対象ユーザーを広げるという観点から、一定の制限を加えて低スペックのPCでも動作するバージョンなども検討されている。

 サービス開始後は東京以外のエリア拡充に加え、携帯電話などモバイル機器との連携も予定。また、海外からのユーザーを「観光客」として呼び込むために、英語や中国語、韓国語といった多言語化も追加するという。


 誹謗中傷や風俗系の表現など、公序良俗に反する行為は排除するとともに、自発的なユーザーだけでなく受け身がちな初心者でも楽しめるようなイベントも随時提供。老若男女幅広いユーザー層を対象とし、2008年末に100万ユーザー獲得を目指すとしている。

■ ポイントが通貨と同じ価値を持つことで新たな世界が生まれる

 トランスコスモス専務取締役兼ココア代表取締役の森山雅勝氏は、「マイルのようなポイント制度が単なる割引だけでなく、アンケートへの回答など労働の対価として支払われるようになっている」とコメント。「労働の対価としてポイントで満足するのであれば、それは通貨と同じだろう。企業が自由に通貨価値を持つポイントを発行できる力を持った時、大きな可能性が広がると考えた」とココア設立の背景を語った。

 森山氏はこうした考えを以前から持っていたが、「フロム・ソフトウェアの神社長と会ったことで具体的に話が進み始めた」。また、産経新聞社との関係についてはSecond Lifeを例に取り、「Second Lifeは完全にユーザーの自由だが、すべてをユーザーに委ねるのは疑問に思う」とコメント。「ユーザーの中で生まれる自発的な情報だけでなく、ある程度信のおける情報を提供していくことは重要。新聞社はその点に長けており、産経新聞社には構想をご理解いただいた」とした。

 ココアのビジネス展開に関しては「勝手な認識だが」と前置いた上で、「インターネットはリアルに比べてキャラクタービジネスが広がりにくい」と指摘。「バーチャルの仮想空間であればキャラクターはリアル同様に広まる」とし、キャラクタービジネスへの期待を寄せた。また、ランドマークの土地はココアがオフィシャル提供するため、そうした集客力のあるエリアでの広告展開もビジネスモデルの1つだという。

 アイテムの売買などはユーザー間でも可能とするが、現実の貨幣への換金、いわゆるRMT(Real Money Trade)は行なわない。あくまでコミュニティ内での独自の価値としてポイントを提供し、RMTについては法制度などを見極めながら対応を検討していくという。

 meet-me内の土地については法人向けに実際の住所をベースにした仮予約を開始。個人ユーザーに対しては「最初からどこでも住めると駅前などに集中してしまう」とし、「都市部中心に団地を建て、その部屋を無料で提供するなど、ユーザーに対して不公平感のない形を検討中」とコメント。土地の転売などは極力防ぐとともに、企業だけを優遇しない措置など詳細を現在詰めている段階とした。

 森山氏は「現実の世界では知らない人に相談はできないが、バーチャルの世界なら知らないアバターにも相談できる。それは感情移入することで人格が生まれるアバターならでは」とコメント。「アバターの世界では今までにないコミュニケーションが生まれると思う」と期待を示した。

■ 誰もが参加しやすいコミュニティで100万ユーザーを目指す

 フロム・ソフトウェアの神直利社長は、「東京23区は建物が170万、駅だけでも500近いボリュームで、開発は大変だが非常に面白い」とコメント。「Second Lifeなどはオープンソースと言われているが、日本人には一部のユーザーが盛り上げるオープンソースは向いていないのではないか」とし、「現実の街を用意し、システムも親切なものにしていくことで、一部ではなくみんなで作っていくコミュニティを目指す」とした。

 産経新聞社取締役の阿部雅美氏は「3Dバーチャルコミュニティはインターネットとはまったく違うコミュニティの可能性を持っている、と個人的に感じている」との感想を述べ、「産経新聞社は新聞や雑誌やネット事業など多用な媒体を持っており、このバーチャルコミュニティの世界にも期待している」とコメント。新聞社としての情報発信力を活かし、コミュニティと現実世界を結ぶ情報発信を手がけていくとした。

 ココアの第1弾事業となるmeet-meに参加するぴえろの本間道幸常務取締役営業本部長、プロダクション・アイジーの石川光久代表取締役社長も発表会に出席。本間氏は「我々のキャラクター開発力やライセンス事業のスキルを活かしたいろいろなアイディアが浮かんでいる」とし、「コミュニティ内でのアイドルや歌手を作ってもいいし、アニメ映画を劇場公開してもいい。チャレンジの部分も多いが、バーチャルコミュニティをユーザーに楽しんでいただきながらビジネスにつなげていきたい」と期待を示した。

 プロダクション・アイジーの石川氏は、「本来なら(同じアニメ制作会社である)ぴえろと一緒に仕事をするとは思ってもいなかった」とした上で、「バーチャルの世界はいままで無かったことができるのがおもしろい」とコメント。トランスコスモスとの共同事業であるブログサービス「decoblog」を例に取り、「キャラクターが登場するブログを始めたことでPVが大幅に伸びた。キャラクターはお客さんにとって魅力のある存在」と指摘し、「クリエイター集団であることを最大の力としてmeet-meに参加していきたい」との意欲を見せた。

(2007.6.5/impress Watch)
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by fbitnews2006-6 | 2007-06-05 20:03 | インターネット総合  

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