ワンセグの次の携帯TV「MediaFLO」を使ってみた・米国レポート



 ワンセグ対応機種が順調に数を伸ばすなか、日本では次世代のマルチメディア放送の導入について議論が進みつつある。そのなかでも、米クアルコムの「MediaFLO(メディアフロー)」はKDDIやソフトバンクモバイルが導入準備を進めることもあって、何かと話題に上ることが多い。果たして、MediaFLOとはどんなサービスなのか。すでに3月からサービスが開始されている米国ロサンゼルスで現状を取材してきた


 2007年3月、米ベライゾン・ワイヤレスは、MediaFLOサービス「V CAST Mobile TV」を開始した。対応端末はサムスン電子製「SCH-u620」とLG電子製「VX9400」の2モデルだ。ロサンゼルス市内のベライゾン・ワイヤレスのショップでは、「SCH-u620」が2年契約で233.96ドル、「VX9400」は283.96ドルで販売されていた(いずれも2年契約の場合、音楽再生用付属品含む)。日本の高機能なワンセグ対応機種とあまり変わらない値付けといえるだろう。

 日本のワンセグは、すべて無料で楽しめるのに対し、MediaFLOは有料のサービスだ。価格は、5チャンネルを視聴できるコースが月額13ドル、全8チャンネルを視聴できるコースが月額15ドル、パケット定額制サービスを組み合わせたプランが月額25ドルとなっている。まさに、日本での地上波に対する有料の衛星放送といった位置づけだ。視聴できるコンテンツは、CBS、ESPN、FOX、MTV、NBC News、NBC Entertainmentなど8チャンネルとなっている。


 実際、ロサンゼルス市内で視聴してみたが、一部、電波の弱い場所はあったものの、概ね、問題なく視聴できた。かなりの高画質であるため、細かな文字も認識できる。自動車で道路を走行しながら視聴していても映像が乱れることはない。電子番組表で、いま放送されている番組を一覧表示で確認できる。ただし、番組の録画や字幕放送には対応していない。

 驚いたのは、チャンネルの切り替え時間の短さだ。デジタル放送の場合、デコード処理が必要なため、チャンネルの切り替えに時間がかかってしまう。実際、ワンセグも数秒間、待たされることがほとんどだ。しかし、MediaFLOの場合は、2秒以下での切り替えが可能。ワンセグに比べ、ストレスなく番組を選べるようになっているのは快適だ。

ベライゾン・ワイヤレスのショーン・ダーキン氏は、「モバイルであっても、リビングにあるテレビと同じように、すぐにチャンネルは切り替わらなくてはならない」と語る。



 さらに注目すべきは番組編成だ。ワンセグは08年まで、サイマル放送として、地上デジタル放送と同じ内容が流れているが、MediaFLOではモバイル用に独自編成となっている。ダーキン氏は「モバイルは一日中がプライムタイムだ」という。夜がメインとなる一般のテレビとは異なり、昼から夜にかけて視聴者が増えるということから、モバイルでは独自の番組編成を行い、ユーザーのニーズに応えようとしている。

 現在、MediaFLOは米国ではベライゾン・ワイヤレスのみが提供しているが、今後はAT&T(シンギュラー・ワイヤレス)も年内にはサービスを開始するなど、着々と広がりを見せている。
(2007.5.31/日本経済新聞)
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by fbitnews2006-6 | 2007-05-31 12:18 | 周辺機器  

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