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グーグル、「ユニバーサル検索」モデルに対応した新デザインのサイトを披露




 カリフォルニア州・マウンテンビュー発--Googleが米国時間5月16日、1箇所に多くのメディアに対応した検索結果を表示する「ユニバーサル検索」モデルに対応した新デザインのサイトを披露した。

 関連情報を1箇所で簡単に見つけられるユニバーサル検索は、Googleの競合にとっても脅威となる機能である。

 ユニバーサル検索を利用すると、ユーザーは画像、動画、ニュース、ニュースアーカイブ、書籍などを別々のページから検索せずに済む。例えば、「Steve Jobs」と入力するだけで、Steve Jobs氏に関するあらゆる情報へのリンクが手に入れられるようになる。

 Googleの検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデントMarissa Mayer氏は本社で開催したメディアイベントSearchologyで「ユニバーサル検索を介して、われわれはより包括的な検索結果を示せるようになった」と述べた。

 Mayer氏はデモのなかで、「Nosferatu(吸血鬼ノスフェラトゥ)」という1920年代のホラー映画を検索してみせた。最初の検索結果はIMDbという映画情報のオンラインデータベースへのリンク、2つ目は実際の映画そのものへのリンクで、2つ目にリンクされた映画はウィンドウ内で再生することもできた。また「I have a dream」と入力して検索すると、Martin Luther King Jr.氏が公民権を訴えた有名な演説に関連する情報が表示され、演説が収録されたビデオも表示された。動画情報はビデオ共有サイトのMetacafeなど、複数の箇所から取得されていた。

 ユニバーサル検索モデルでも、ページの一番上に簡易な検索結果を表示する「Google Onebox」が採用されていると、Mayer氏は述べる。その後Mayer氏は報道陣に対し、同モデルのホームページにはいずれ、ビデオや画像など、テキスト以外のフォーマットも含んだ広告が掲載されるとコメントしている。同氏は、「常々検討してきたことだが、具体的なスケジュールは決まっていない」と付け加えた。


 Googleの共同創業者Sergey Brin氏は、ユニバーサル検索モデルの構築を通して、数年ぶりにサイトや基盤アーキテクチャを大きく改良したという。同氏はイベント終了後、報道陣に対し、作業が約2年前に始まったこと、検索事業に関わるリソースの半分以上がこの作業に注がれたことを明らかにし、Googleが今も進化し続けていることをアピールした。Brin氏は、ユニバーサル検索のおかげでこれまで「使用頻度の低かった」複数の機能の露出が増え、既に巨大なマーケットシェアがさらに拡大すると述べる。

 Brin氏は、「われわれの調査データによると、Googleは最高(の検索エンジン)であるだけでなく、業界でのリードを広げつつある」と述べる。ほかのメディアでの広告展開

 Googleは、検索関連の圧倒的シェアを利用することで収益性の高い広告ビジネスを展開し、空前の検索関連広告の流行に乗じることができた。同社は現在、印刷物やテレビ、ラジオなど、そのほかの各種広告媒体にも積極的に取り組んでいる。

 Mayer氏はまた、Googleの検索ページや各種ページ上部への「Universal Navigation Bar」の追加も発表した。これは、ユーザーがほかのGoogleサービスに素早くアクセスできるようにすることを目的としている。たとえば、メインの検索ページには「Images」「Video」「News」「Maps」「Gmail」といったGoogleサービスへのクイックリンクが用意されるようになる。また、「Gmail」ページには「Calendar」「Documents」「Photos」「Groups」といったサービスへのクイックリンクが用意される。これまでは、ホームページの検索ボックスの上に、ほかのGoogleサービスへのリンクが用意されていた。

 検索結果ページの上部にあるロゴの直下に新しく「Contextual Navigation Links」が表示されるようになり、検索結果を掘り下げていくことが可能になる。たとえば、有名人を検索すると、ニュース、ブログ、ビデオ、画像などへのリンクをクリックすることで各メディアタイプの検索結果に直接移動できるようになる。プログラミング言語の「python」と検索すれば、そのキーワードに関するブログ、書籍、グループ、コードへのリンクが表示される。

 Mayer氏によると、これらの新機能は16日中には大半の地域で利用可能になるという。

 検索関連の専門家であるDanny Sullivan氏は自身のブログ「Search Engine Land」で、ユニバーサル検索の変更は「これまでGoogleが検索結果に加えてきたなかで最も斬新な変更」だと書いている。

 コンサルティング会社のSterling Market Intelligenceでプリンシパルを務めるGreg Sterling氏は、これらの変更は「Googleの検索結果の内容を一段と充実」させ、ユーザーが「Googleの世界」で過ごす時間を増やすことになるのではないかとし、「これはGoogleのライバル各社にかなりのプレッシャーを与える」と述べている。

 しかしSterling氏によると、「今回の衝撃」は、同検索サイトに将来的にほかのタイプの広告が追加されることをMayer氏が示唆した点だという。Google Experimental

 また、ユーザーは「Google Labs」で、同社が実験中の「 Google Experimental 」の機能を試すことができる。そのなかの例としては、左利き用検索ナビゲーション、検索結果の上部に時系列表示を追加する機能、検索結果に地図画面を追加するものなどがある。

 Googleはまた、ウェブにある言葉の壁を取り払う作業にも取り組んでいる。同社はまもなく、外国語でしか入手できない情報を検索し、検索結果を母国語に翻訳できるようにする機能を投入する。このシステムは、クエリを実行した言語に検索結果を自動翻訳する。たとえば、アラビア語を使うユーザーがアラビア語で「restaurants in New York(ニューヨークのレストラン)」とタイプすると、英語サイトの検索結果がアラビア語で表示される。

 同社はさらに、ユーザーにとってどのクエリが有用なのかを推測することで、検索結果の関連性を改善することにも取り組んでいる。たとえば、だれかが「Bellagioホテルのプールの鳥観図」と入力した場合は、「Bellagioのプールの画像」というキーワードでシステムが自動検索し、それを検索結果に含めることで、ユーザーはより多くの恩恵を受けることができるかもしれない。この機能はもうすぐ用意されるが、エンジニアリング担当バイスプレジデントであるUdi Manber氏によると、ユーザーはそれに気がつかないかもしれないという。

 Googleの国際コミュニケーションおよび広報担当バイスプレジデントであるElliot Schrage氏は、Searchologyイベントの目的を説明しながら、検索が同社のビジネス基盤であることに変わりはない、と述べた。同氏は、「率直なところ、自身の成功が仇になって、検索には本来集まるべき注目が集まっていない。だが、今も将来も検索がGoogleの中核だ」と語っている。
(2007.5.17/CNET Japan)

by fbitnews2006-6 | 2007-05-17 18:33 | インターネット総合  

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