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コンパクトデジカメに高額化の波、今年のキーワードは「高倍率ズーム」か?




 進化を続けるコンパクトデジタルカメラ。手ブレ補正、高感度、顔認識に続く、新たなキーワードは何か? メーカー各社は、市場全体に影響を与えるトレンドを自ら生み出そうと試行錯誤を続けているように見える。07年はコレ、といった大きな流れはまだ見えない。ただ、3万円から4万円台の比較的高めのモデルと、初心者向けのカンタン操作や単3形乾電池対応をウリにしたお手頃モデルに人気が分かれてきているようだ。07年4月の「BCNランキング」から、それぞれの売れ筋モデルを紹介しよう。



●価格帯はやや高めにシフト 3万円台後半、4万円台前半のシェアが拡大

 「BCNランキング」によると、コンパクトタイプに絞ったデジタルカメラの税抜き平均単価は、06年7月から07年4月までの10か月間、3万円前後でほとんど変わっていない。07年1月以降は4か月連続で2万8000-9000円台と3万円を下回り、やや下落傾向にある。

 しかし、価格帯別販売台数構成比の推移を見ると、06年10月にそれまでの「2万円台」に代わって「3万円台」がシェア45.9%でトップに浮上。07年3月以降、ワンランク上の「4万台」も伸びており、ボリュームゾーンの価格帯は、むしろ以前より高くなっている。

 さらに、価格帯を5000円ごとに細かく分けると、3万5000円以上4万円未満の「3万円台後半」、4万円以上4万5000円未満の「4万円台前半」のシェアが拡大。とくに、06年7月の時点では一ケタ台だった3万円台後半は、販売台数、シェアともに伸びが著しい。


 07年4月の5000円ごとの価格帯別構成比は、3万円台前半の35.6%を筆頭に、3万円台後半が18.3%、2万円台後半が13.2%、1万円台後半が10.5%、4万円台前半が9.3%の順だった。売れ筋モデルの価格帯がやや高めにシフトする一方で、07年3月、4月は1万円台後半のシェアも拡大しており、二極化の様相を見せてきた。

 そこで今回は、「BCNランキング」のデータと首都圏の量販店の店頭価格を参考に、税抜き平均単価が2万5000円以上か、それ未満かによって「高機能モデル」と「お手頃モデル」の2タイプに分類。価格帯によって変わるトレンドや売れ筋の「違い」を探ってみた。

●次のトレンドは高倍率ズーム? トップ10に標準の光学3倍以外が5機種

 まずは、コンパクトデジタルカメラ全体の販売台数の8割を占める、税抜き平均単価2万5000円以上の高機能モデルから見ていこう。07年4月の月次データを使用し、カラーバリエーションは合算して集計した。

 1位は、20-30代の女性をターゲットにした松下の主力モデル「LUMIX FX30」。シェアは11.1%。2位と3位はともにキヤノンで、光学手ブレ補正機能を搭載したシルバー1色の「IXY DIGITAL 900IS」がシェア9.9%で2位、シルバーとブラックの2色のカラーバリエーションを展開する「IXY DIGITAL 10」がやや離れてシェア6.5%で3位だった。

 メーカー別では松下、キヤノン、ソニー、カシオの計4社が2機種ずつ。このほか、ニコンの3月発売の新モデル「COOLPIX S500」が5位に、4色のカラーバリエーションのうち、「ラズベリーレッド」と「ベビーピンク」の暖色系2色が人気の富士フイルムの「FinePix Z5fd」が9位に入った。

 上位10位以内は、有効画素数700万、800万画素クラスが計8機種と圧倒的に多い。違いは光学ズームの倍率。標準的な「3倍」と「3.1倍以上」が5機種ずつ半々で並んだ。光学3倍ズームモデルのコンパクトデジタルカメラ全体に占める販売台数構成比は、06年7月以降、70%台から徐々に減少し、07年4月は56.3%。それと反比例するように、光学3.1倍以上の高倍率ズームモデルの割合は、06年9月に20%後半から30%台後半に上昇し、07年3月には42.9%、4月は41.4%と高水準をキープしている。その動きは、価格帯別構成比の変動とほぼ一致する。

 光学3.1倍以上と一口にいっても、3.6倍の「LUMIX FX30」や3.8倍の「IXY DIGITAL 900IS」のような標準とほとんど変わらないモデルから、4位に入った光学10倍ズームの「LUMIX TZ3」、10位の光学7倍ズームの「EXILIM EX-V7」のように、遠くの被写体でもアップで大きく写せる「高倍率ズーム」を前面に押し出したモデルまで、範囲はかなり広いが、今年のキーワードは「ズーム」になるのではないだろうか。

●2万5000円未満でも基本機能は充実 カンタン操作で人気の「FE-220」

 一方、税抜き平均単価2万5000円未満のお手頃モデルの1位は、カシオの「EXILIM EX-Z700」。2位はオリンパスの「CAMEDIA FE-220」、3位は松下の「LUMIX FS1」だった。平均単価で機械的に分けたため、発売から日が経ち、価格の安くなった旧モデルと最初から安めのエントリーモデルが混在しているが、このクラスでも、600万、700万画素の高画素は当たり前。手ブレ補正や顔認識機能など、上位モデルと同じ撮影補助機能を備えている機種もある。ただ、被写体ブレを防ぐ高感度撮影の目安となる「最高感度」は、高機能モデルに比べて低い場合が大半。そのあたりの差を割り切れるなら、値ごろ感は高い。

 このうち、07年発売のエントリーモデルに限ると、1位はオリンパスの「CAMEDIA FE-220」。2位はその上位モデル「CAMEDIA FE-240」だった。どちらも、アイコンと文字でわかりやすく表示される操作ガイドや、撮影や再生など、1つのボタンに1つの機能を割り当てた設計など、初心者に配慮したつくりが特徴。とくに「FE-240」は、実売2万円台の低価格ながら光学5倍とズーム倍率が高いため、同価格帯の他のモデルに比べて人気が高いという。このクラスでも、ポイントはやはり「ズーム」のようだ。

 また、高機能モデルのトップ10とは違い、キヤノンの「PowerShot A550」、富士フイルムの「FinePix A800」をはじめ、専用の充電式バッテリーではなく、電源に単3形電池を採用した乾電池対応モデルが目立つ。トップ10圏外の11位、12位を含め、07年発売の9機種中、5機種が乾電池対応モデルだった。ただ、以前に比べ電池の種類を気にする人は少なくなり、「乾電池だから売れているわけではなく、価格で選ばれている」(大手量販店店員)。とはいえ、海外旅行など、容易にバッテリーが充電できない環境で使うことが多いなら、乾電池対応モデルは使い勝手が良いはずだ。

 今回、分類した「高機能モデル」「お手頃モデル」は、おおまかな予算の目安。価格は日々変わっていくので注意したい。最新トレンド全部乗せの高機能モデルが必ずしもベストとは限らない。利用シーンや実際に触ってみての操作感、メモリカードの種類などもチェックして最適な1台を探そう。(WebBCNランキング編集部・嵯峨野芙美)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
(2007.5.15/BCN)

by fbitnews2006-6 | 2007-05-15 17:26 | 周辺機器  

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