ハイビジョン化と記録媒体の多様化がさらに進むデジタルビデオカメラ




 卒業式や入学式のシーズンを経て、デジタルビデオカメラの春商戦が一段落した。可愛いわが子の晴れ姿を残そうとデジタルビデオカメラを購入した人も多いことだろう。今春のトレンドはハイビジョン機の拡大と、記録媒体の多様化だ。「BCNランキング」で、その流れをまとめた。


●ますます多様化する記録媒体、製品選びは要注意

 06年12月あたりから各社は新モデルを市場に投入し、3-4月の本番に向けて万全の体制で臨んだ今年の春商戦。まず「BCNランキング」で、全体の動きをチェックしてみた。

 06年12月第3週(06年12月18日-24日)の販売台数実績を1とした販売台数指数推移では、春モデルが出始めた2月上旬から販売台数が伸び始め、都内の桜が咲き始めた3月下旬がピーク。もっとも伸び率が高かった3月第3週(3月19日-25日)は、小学校などの卒業式直前だったため、1月初頭のお年玉セール時よりも盛況だった。

 デジタルビデオカメラの記録媒体といえば、少し前まではMiniDVテープで決まりだった。ところが最近では、DVDやHDD、メモリカードなどに記録する製品も増えている。どれを選択するかで使い方まで変わってくるため、「対応記録媒体選び」は重要なポイントだ。

 現在の主流は、MiniDVテープ、8cmDVD、HDDの3つ。このほか、松下が採用しているSDメモリーカードや、ソニーが採用しているマイクロMVカセットなどもある。どれも映像を保存する、という点では同じだが、例えば8cmDVDはDVDレコーダーやプレーヤー、PCなどで再生でき、HDDはDVDやMiniDVテープより長時間撮影できるなど、再生対応機器や撮影時間などが微妙に異なる。では現在、どの記録媒体を使うカメラが人気なのかを実売データで調べてみた。


 これまで半分近いシェアを維持していたMiniDVテープタイプだが、DVDレコーダーやプレーヤーで手軽に再生できるDVDタイプに追いつかれ、両者は30%台前半のところでデッドヒートを繰り広げている。

 この2強の後ろで様子をうかがっているのがHDDタイプ。すでに20%前後のシェアをもっている。HDDタイプの最大の特徴は、長時間撮影が可能なこと。例えば、3月第4週で販売台数シェア9位にランクインしているビクターの「GZ-HD7」は60GBのHDDを内蔵しており、1440×1080のハイビジョン(HD)画質なら約7時間、1920×1080のフルHD画質であれば約5時間の撮影ができる。対してDVDでHD撮影をする場合は、2層対応のDVD+R DLの場合でも、1時間前後が限界だという。

 しかし、撮影した映像を再生する場合は、DVDタイプのほうがずっと手軽だ。HDDタイプの場合は、HDDを取り外すことができないので、デジタルビデオカメラ本機をテレビやDVDレコーダー、PCなどと接続する必要がある。しかし、DVDタイプであれば本機からDVDを取り出してDVDレコーダー/プレーヤーなどで再生できる。もちろん、本機とAV機器を接続して再生することも可能だ。このようにDVDタイプ、HDDタイプとも一長一短があるため、まず使い方を重視して製品を選んだほうがいいだろう。

●ハイビジョンモデルが上位10機種中、6機種もランクイン

 それでは直近、07年3月第4週(07年3月26日-4月1日)の販売台数シェアランキングを見てみよう。カラーバリエーションなどは合算して集計した。1位にランクインしたのはソニーの「HDR-UX7」で、販売台数シェアは12.4%だった。

 HD撮影ができる「HDR-UX7」は2月10日の発売。その直後の07年2月第1週(2月5日-11日)に1位を獲得した。以後、2月第3週(2月19日-25日)の1週だけ2位にランクダウンしてしまったが、それ以外はずっと1位をキープしている人気モデルだ。

 センサーで手ブレを感知すると、レンズを動かしてブレを補正する「光学式手ブレ補正機能」を搭載する。また、より忠実に色を再現するために、デジタルビデオカメラとしては世界で初めて動画用広色域色空間の国際規格「x.v.Color(エックスブイカラー)」に対応した。

 記録メディアには8cmのDVD-R/±RWのほか、2層式の8cm DVD+R DLを採用し、DVD+R DL使用時には最長約1時間のHD撮影が可能。また光学10倍ズームレンズを採用し、20倍のデジタルズーム機能も搭載する。バッテリーパックを付属し、連続約5時間の撮影が可能。

 2位は日立の「DZ-HS403」で、9.2%のシェアを獲得。「HDR-UX7」より10日遅れの2月20日の発売で、発売直後の2月第2週(2月19日-2月25日)は3位にランクイン。3月第1週(3月5日-3月11日)には2位にランクアップし、その後4週連続で2位の地位をキープしている。

 「DZ-HS403」はHD撮影に対応していないが、記録媒体として8GBのHDDとDVDの両方を採用した「ハイブリッド」タイプで、ユーザーの好みや状況に応じて使い分けができる。DVDはDVD-R/±RW/-RAMに対応し、DVD-RW使用時には、DVDプレーヤーとの互換性が高い「ビデオモード」と、編集が楽しめる「VR(ビデオレコーディング)モード」の設定ができる。DVDタイプとHDDタイプ、どちらにしようか悩んでいるなら、この「ハイブリッドタイプ」という選択肢もあるわけだ。

 本機のみでHDDからDVDへのダビングが可能で、HDDに記録している映像をすべてDVDへダビングするだけではなく、サムネイルを表示して、好きな箇所で映像を分割し、お気に入りのシーンだけ選んでダビングすることができる。このため、HDD内蔵DVDレコーダーのように「とりあえずHDDに保存して、大事なシーンだけDVDへ」といった使い方ができる。ダビング速度は最大で約2倍。

 キヤノンのHD対応デジタルビデオカメラ「iVIS HV20」はシェア4.4%で3位にランクインした。3月上旬発売の「iVIS HV20」は、3月第3週では6位にランクインしていたが、3月第4週になって急上昇し、トップ3に食い込んでいる。

 06年9月に発売したHD対応モデル「HV10」で採用したセンサー「キヤノン フルHD CMOS」を高感度化して搭載し、フルHD(1920×1080)映像を高速で読み出すことができる。また、光学10倍ズームの「キヤノンHDビデオレンズ」を採用し、光学式手ブレ補正機能も備えた。記録媒体はMiniDVテープで、HDMI端子を使えばHD画質を劣化させずにテレビに映し出すことが可能。

 3月第4週のランキングでは上位10機種中6機種がHD撮影に対応するモデルだった。HD映像は容量が大きいため、長時間撮影できない、というデメリットはあるが、映像の美しさはまさに一目瞭然。最近はHD表示対応の薄型テレビも安くなっており、こういった環境が整うにつれてデジタルビデオカメラの「HD化」比率もますます高まりそうだ。(WebBCNランキング編集部・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
(2007.4.7/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2007-04-06 16:11 | 周辺機器  

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