電子辞書、今年は「手書き」がキーワード、収録コンテンツ100クラスも拡大



 「書ける電子辞書」が人気だ。この春の新製品では、各社ともメイン液晶やサブ液晶にタッチパネルを採用。手書きで入力に対応する「書ける」モデルが続々と登場して一気に広まってきた。そこで、タッチパネル搭載モデルを中心に、旬の売れ筋電子辞書をBCNランキングで見ていこう。


●シェア3割まで一気に広まったタッチパネル搭載モデル

 手書き文字入力に対応するタッチパネルを電子辞書に最初に搭載したのはカシオ。00年7月発売の「XD-470」だ。「キーボード入力に抵抗のあるシニア層向けに開発した」(カシオ広報)製品で、タッチペンで文字を入力して操作する。ちなみに「XD-470」はまだ現役。直近2月の月次ランキングでは89位にランクインしている。

 タッチパネル搭載の電子辞書が増え始めたのは06年の終わりごろから。夏時点までは台数シェアでわずか5%ほどだったが、年末商戦を経て07年春モデル投入と同時に人気に火がついた。特に2月の伸びは著しく、1月に11.1%だった搭載率が3倍近い31.9%まで拡大している。

 最近の新製品のほとんどにタッチパネルが搭載されており、電子辞書市場ではちょっとしたブーム。07年2月時点で、07年1-2月発売の新製品の販売状況を集計したところ、タッチパネル搭載モデルは約9割にのぼった。搭載の理由についてカシオでは、「最近の電子辞書は収録漢字数が増え、読みにくい難しい漢字も多数収録されるようになった。読めない漢字も素早く検索できるようにするため」(広報)と説明している。また、漢字の書き取り学習や、聞き取った英語を書き取ることでリスニング力を鍛える「ディクテーション学習」などにも応用するなど、用途も広がっている。

●1、2位を獲得したのはカシオ製のタッチパネル搭載モデル


 それでは機種別に売れ筋を見ていこう。07年2月の月次で、販売台数シェア10.0%を獲得して1位になったのはカシオの「XD-SW6400」だった。広い用途に利用できる「総合」タイプの製品。2、3位もカシオ製で、シェアは学生向けの「XD-SW4800」が6.6%、総合型の「XD-ST6300」が5.7%。4位はシャープの総合型「PW-AT750」で、シェアは5.6%だった。

 1位の「XD-SW6400」は「広辞苑 第五版」「ジーニアス英和辞典 第3版」をはじめ、「経済新語辞典 2003年版」「全国方言一覧辞典」「英会話とっさのひとこと辞典」など、毎日の暮らしに役立つ100種類のコンテンツを収録した総合タイプ。英単語約8万5000語のネイティブ発音コンテンツのほか、英・西・独・仏・伊・中の「6言語音声読み上げ」機能を搭載し、それ以外の単語や熟語、例文も、合成音で読み上げることができる。

 また、キーボードの手前に手書き文字入力に対応する「手書きパネル」を搭載。読み方がわからない漢字を手書きで調べたり、中国語の漢字やハングル文字、スペイン語・フランス語・イタリア語・ドイツ語を手書き入力したりできる。

 2位の「XD-SW4800」も手書き対応の「手書きパネル」を搭載した学生向けモデル。高校生向けの国語、英語、社会、理科、数学などの辞典、用語集などのコンテンツを収録する。また大学入試のセンター試験対策として、聞き取った英語を書き取ることでリスニング力を鍛える「ディクテーション学習」や、漢字の書き取り学習など、手書き入力を活かしたトレーニング機能も搭載した。収録コンテンツ数は56種類。

 音声機能では、学習英和辞典に記載されているレベルの英単語を中心に、約8万5000語の英単語ネイティブ発音を収録。SDメモリカードスロットを装備するほか、約50MBの内蔵メモリも搭載し、コンテンツを追加できるようにした。

 4位の「PW-AT750」は、「スーパー大辞林」「類語新辞典」「ジーニアス英和辞典 第3版」「医者からもらった薬がわかる本 2006」など、1位の「XD-SW6400」と同数の100種類のコンテンツを収録した総合タイプ。やはり手書き入力に対応する「手書きパッド」を搭載する。出題された問題に手書きで解答を入力することで、漢字を書いて覚えることができる「漢字ターゲット1700」も収録した。

 ネイティブ発音コンテンツとして「ジーニアス英和辞典」の約2万6000単語のほか、7か国語の旅行会話など10コンテンツを収録。このほかの英単語や例文も、「TTS(Text-to-Speech)機能」によって抑揚のある合成音声で読み上げることができる。

 上位10モデル中タッチパネルを搭載するのは4モデルで、これだけでも販売台数シェアは合計で24.1%と人気ぶりがうかがえる。こうして、にわかに広がってきた電子辞書のタッチパネルだが、メーカーごとに形や文字認識方式などで違いがある。例えばカシオとシャープはキーボードの手前に手書き入力に対応するサブ画面にタッチパネルを採用。一方キヤノンは、メイン液晶そのものがタッチパネルになっている。また、サブ画面採用のカシオとシャープでも認識方法に違いがある。シャープでは認識ボタンなしで文字を取り込む「自動認識」を採用しているが、カシオは「自動認識」と認識ボタンで認識を指示する「手動認識」の両方を切り替えられるようになっている。

●コンテンツ数拡大競争は100程度で一段落、普及期へ

 ところで、電子辞書選びで一番重要なのは、収録しているコンテンツ数や種類。BCNランキングで集計したところ、07年2月の平均収録コンテンツ数は49.4種類だった。売れ筋のコンテンツ数を見ると、1位は25種類未満のモデルで、シェアは32.4%、2位は100種類以上のモデルで、27.7%という結果になった。現在の売れ筋は、辞書としての用途に絞り込んで使うタイプと、幅広い用途に対応するタイプの2種類に大きく分かれているといえそうだ。

 収録コンテンツ数の売れ筋推移を見ると、この春商戦では100種類以上のコンテンツを収録した上位モデルの台数シェアが伸びてきている。06年4月から年末まで、25種類未満の安価モデルが伸びていたが、徐々にシェアが下がってきた。対する100種類以上の高級モデルは06年11月あたりから伸び上がり始め、この2月には3割弱の水準に達している。このところ、最大収録コンテンツ数の拡大競争は、100程度を上限に落ち着きを見せ始めており、現在はこうした上位機種の普及期に差し掛かっているといえそうだ。
(2007.3.22/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2007-03-22 15:06 | 周辺機器  

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