携帯・PHS各社、新戦略を模索 最後の空白地帯で攻勢




 携帯電話・PHSの合計契約数が1億台を突破し、市場の飽和感が強まる中、各社は“最後の空白地帯”である子供、シニア、法人の3分野の陣取り合戦に躍起だ。専用端末を開発・販売するほか、新サービスでも需要喚起を図る。高機能や多機能を追い求めてきたが、さらにすそ野拡大を狙うには従来とは一線を画す必要にも迫られている。(冨岡耕)

 ≪子供≫

 「au」を展開するKDDIは、春商戦で丸みを帯びた明るい色の子供向け端末を2機種発売する。外見だけでなく、緊急時には子供の足取りを自動追跡して移動経路を通知する新機能も搭載した。ソフトバンクモバイルも同社初の子供向け携帯電話「コドモバイル」を発売。PHSのウィルコムもバンダイと組んで子供専用端末を発売するなど、にぎわいを見せている。

 業界全体で歩調を合わせた動きもある。インターネットの閲覧を一定の基準で制限する「フィルタリング」機能を2月末までに強化し、“購入権”を持つ親に安心・安全をアピール、需要を掘り起こしたい考えだ。

 ≪シニア≫

 シニア向けにも目を向けている。こちらは「シンプル」がキーワードだ。auは液晶画面を省き、操作も「通話」「切」など漢字で分かりやすく表記。身近にある固定電話の子機に近づけた。NTTドコモも、通話の声をゆっくりと聞き取れる機能や文字の拡大機能を搭載し、より高齢者へとすそ野拡大を進めている。

 子供・シニアとも、電話をかける回数や時間が限られる傾向があるため、基本料金を通常よりも低く設定した料金プランも用意するなど、敷居を低くすることにも知恵を絞る。

 ≪法人≫

 今後最大の主戦場となるのが法人市場だ。「法人契約は全体の1割しかない」(ドコモ幹部)とされ、開拓余地が大きい。特に個人情報保護法の施行を機に、安全対策面から携帯電話の公私分離の重要性が認識され始めており、大口受注が増えているという。

 各社はキーボードを搭載してパソコンに近い機能を持つ端末「スマートフォン」を相次いで投入。「ワード」や「エクセル」などパソコンソフトを外出先でも閲覧したり、操作できるなど利便性が売りだ。ドコモが昨秋発売した「ブラックベリー」は100社以上から受注があったが、「法人の潜在需要はまだ大きい」(松木彰・ソリューション統括担当部長)と鼻息は荒い。

 携帯・PHS契約数の伸び率は鈍化し、普及率は8割近くと非常に高い。ここからさらに「1人1台以上」を達成するには、これまでの大量消費型とは異なった戦略が求められている。頂上を目指した難しい挑戦が始まっている。
(2007.2.10/産経新聞)
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by fbitnews2006-6 | 2007-02-10 19:50 | 周辺機器  

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