PS3は視野に無し…任天堂社長“脱線”宣言



 2007年に飛躍の期待がかかる、エンターテインメント業界で真っ先に名前が挙がるのが任天堂だ。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は発売から2年で3000万台を世界で売り、06年末に発売した家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」もヒット中。今年48歳を迎える“年男”の岩田聡社長が、成功の裏側と今後の戦略を明かした。(谷口隆一)

 ■誰でも楽しめる「連続的なもの」で革命を

 --「Wii」は絶好調ですね
 「新しいハードは最初はいつもよく売れます。過剰に喜んだり安心はしていません。『DS』が04年末に登場したときは年末年始の商戦で150万台売れましたが、その後しばらく(販売が)順調に伸びませんでした。幅広い人に面白さが伝わるまでには、時間がかかります。次々と新しい提案をしていかねばなりません」

 --リモコン型コントローラーで遊ぶ「Wii」のコンセプトは受け入れられた?
 「日本では家族で『Wii』を楽しむことができる(任天堂のゲームソフト)『Wiiスポーツ』が1番売れました。これは、『DS』で取り込んだゲームユーザーの拡大が、影響を与えたとも言えます。熱狂的なゲームファンだけでなく、誰でも楽しめるゲームといえます。ただ、米国では、『ゼルダの伝説』(難易度の高い任天堂のソフト)を購入した人が、『Wii』購入者の7割から8割を占めており、日本とは少し事情が違うようです」

 --ゲーム人口の拡大を岩田社長は言い続けてきました
 「前任者の山内溥(現相談役)は、非常に早くから『重厚長大一本やりは危険だ。ゲームにも軽薄短小を持ち込まないといけない』と発言していました。当時は、そのことに耳を傾る人が少数でしたが、業界統計を見ればソフトの売上高は下がる一方。海外の中で日本のソフト会社の地位も地盤沈下していて、かじ取りを任されたときに、なんとかしなくちゃいけないと強烈に思いました」

 --そして「DS」が登場した
 「間口が広く、奥が深いということはどういうことなのか。ゲームを今していない人が、ゲームに関心を持たないのは何故なのか。そこから『5歳から95歳まで』『誰もが同じスタートライン』といったキャッチフレーズが生まれました。(『DS』で実用化した)2画面(2つの液晶画面に異なる映像を同時に表示できる)を最初に言い出したのは山内で、そこには誰が見てもはっきりと違いが分かり、『世間の常識から外れたものを作れ』といった意図があったと受け止めています。実際に2画面と(画面にさわるだけでゲーム操作のできる)タッチスクリーンを組み合わせたら、面白い製品ができました」

 --「Wii」と同時期に家庭用ゲーム機「プレイステーション3」が発売されました
 「私たちが戦っているのは『PS3』のような機械ではありません。ゲームに興味がない人たちに、興味を持ってもらうには何が必要かを考えて『Wii』を作ってきました」

 --「PS3」は最先端のテクノロジーがウリですが
 「今あるゲーム機の10倍パワーを持ったゲーム機が登場したとして、それを自分は認知できても、家族は使いこなせるでしょうか。違いの分かる人だけを相手にするのは危険です。お客さんが興味を持つのは(映像が)きれいだからではなく、提案するゲーム機の内容が分かりやすく、面白いかどうか。従来の延長に答えはない。そう考え、非連続なものを作ろうと決めました」

 --「Wii」はネットワークとの連携も特徴
 「据置型ですから常にコンセントにつないでおけ、ネットにもつないでおけます。知らないうちに新しい機能が追加されたりしますので、今日も明日も『Wii』で遊ぼうと思ってもらえます。専用のお天気チャンネルを作ったり、ニュースチャンネルを設けようとしているのも、ゲームに興味の無い人にも『Wii』に触れてもらうため。そこでゲームに関心を持ってもらい、『Wii』向けソフトのゲームで遊ぶ、といったステップを踏んでくれればいいのです」

 --ゲームの定着には何が必要ですか
 「『DS』ができ過ぎなくらいにうまくいきました。このゲーム機のために生まれたようなソフトも多く出ました。そういったソフトを『Wii』でもどれだけ開発できるかが課題です。07年中に『Wiiスポーツ』のようなものを3つ4つ、出せれば流れができるでしょう」

 --次の戦略は
 「一定のサイクルで、お客さんがびっくりすることをしていかないと娯楽は廃れます。そのために技術を研究していく必要があります。『Wii』は開発コードの『レボリューション(革命)』という名前に恥じないものになりました。連続的なものになるか、非連続になるかは分かりませんが、研究は続けていきます」(2007.1.3/iza)
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by fbitnews2006-6 | 2007-01-04 00:04 | 周辺機器  

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