NTT、次世代ネットワーク実証実験開始 リアルな会議や遠隔医療





 ■IP基盤に高速大容量化

 NTTグループは20日、現在の電話通信網に代わる「次世代ネットワーク(NGN)」の実証実験をスタートさせた。光ファイバーとインターネットを活用したIP電話を基盤とするネットワークで、従来よりもクリアな音質や映像の送受信が可能となり、リアルなテレビ会議システムや遠隔医療システムなどが実現できる。来年度中の実用化を目指しており、普及に向け、「夢」の次世代通信をイメージ的に体験できるショールームを同日、東京と大阪に開設した。

 実証実験には、NTT東日本、西日本のほか、ソニーや松下電器産業、NECなど10社以上が参加した。

 NGNは、光ファイバーを利用し、IP電話とインターネット接続サービスを一体で提供するもの。すでに提供されている同様のサービスの発展型だが、十分な帯域を確保することで、さらなる高速大容量化を図ることができる。電話機などの末端まで光回線を使用するNGNへの本格的な取り組みは、今回が世界でも初めてという。

 来年12月まで1年かけて、接続・運用試験を行うほか、年明けからは、一般モニターの募集を開始し、4月をめどに1000人規模に広げる計画。ネットワークの信頼性や安定性を検証するほか、顧客のニーズが高い新たなサービスについても検討していく。

 また、同日、東京都千代田区大手町と大阪市北区梅田にオープンしたショールームでは、NGNの実用化により、本格的な普及が期待されるハイビジョンテレビ会議システムに加え、遠隔介護や遠隔医療、遠隔ホームセキュリティーなどをイメージ的に体験できるほか、端末機器も展示。あわせて、両ショールームの間をNGNで結び、テレビ電話の実演なども披露する。

 実証実験に参加する企業のショールームなどにもNGN回線を配備し、幅広く消費者のニーズを探っていきたい考え。

 同日記者会見したNTTの和田紀夫社長は、「電話の信頼、安全性とインターネットの利便性、経済性を両立できる。不退転の決意で取り組む」と述べ、実用化に強い意欲を示した。

 NTTグループでは、10年に光ファイバーを3000万回線に拡大することを目指しており、光利用者にNGNサービスを提供することで、将来の基幹ネットワークになると期待している。

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 ■信頼性確保が最大の課題

 世界に先駆けて動き出したNTTグループの次世代ネットワーク(NGN)。ただ、NGNの原型ともいえるIP電話では、通信停止などのトラブルが相次いでおり、NGNの普及には、安定性を高め、信頼を確保することが最大の課題といえそうだ。

 NTTのNGNは、光回線を使った通信インフラの普及で世界の最先端をゆく日本ならではの試みでもある。英ブリティッシュ・テレコム(BT)もNGNへの取り組みをはじめているが、あくまでメタル(銅)回線を中心に利用するもので、スピードや提供するサービスの内容でも、日本の方が優れたものになるとみられており、「ネット先進国」への期待は大きい。

 ただ、課題も多い。NGNの基礎となるインターネット技術は、安価で便利なネットワークを構成できる半面で、まだまだ信頼性に乏しい。

 IP電話をめぐっては、今月5日にNTT東日本の管内でが通じにくくなるトラブルが発生。9月にもソフトウエアの不具合に伴う大規模なトラブルが発生している。NNT西でも10月にエリア全域で、光電話がつながりにくくなる障害が起きた。 

 NGNも、トラフィック(通信量)を確実に管理・制御できる技術が確立されていないのが実情で、技術的な課題も多く残されている。

(2006.12.21/フジサンケイ ビジネスアイ)
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by fbitnews2006-6 | 2006-12-21 10:59 | インターネット総合  

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