人気は「白い10万円台前半」、シェア1%の攻防三つ巴で続くノートPC市場




 液晶サイズは15.4型ワイド、色はホワイト、テレビ機能はなし、価格は10万円台前半――。年末商戦序盤、売れ筋ノートPCの共通点だ。「BCNランキング」で上位3機種を占めたのは、富士通、東芝、NEC各社の秋冬モデル。いずれも同じ価格帯でよく似たデザイン。販売台数シェアもほぼ横並びで年末商戦にもつれ込んでいる。


●10万円台前半のお手頃モデルが人気、上位3機種でシェア3割を突破

 12月第2週(06年12月4日-12月10日)の「BCNランキング」ノートPC機種別第1位は、富士通の「FMVNF40T」が4週ぶりに獲得。2位は0.9ポイント差で東芝の「PAAX940LS」、3位は1.2ポイント差でNECの「LL550/GD」だった。ここまでの上位3機種だけで、ノートPC全体の販売台数の約3割を占める。

 いずれもテレビチューナーを内蔵せず、実用性を重視したスタンダードモデル。横に広い15.4型のワイド液晶ディスプレイを搭載し、すぐに使える光学マウス付きという点も共通する。新しいOSの発売を前にしても、日常の用途で過不足なく使えるお買い得機種の人気は高い。

 実勢価格はいずれも10万円台前半。量販店などのブロードバンド同時加入キャンペーンやタイムセール、ポイント還元などを利用すると、実質的にはもっと安く買える場面もあるだろう。12月第2週の時点の平均価格は「PAAX940LS」が一番低かったが、その他2機種との開きは数千円程度で、価格面でも「接戦」だ。

●ホワイト、ホワイト、シルバー&ホワイトが3強

 1位の富士通「FMVNF40T」は、15.4型ワイド液晶ディスプレイを採用した新シリーズ「FMV-BIBLO NFシリーズ」の下位モデル。「NFシリーズ」は、15型に比べ表示領域が約30%広い15.4型ワイド液晶とキーボードまで白いホワイトボディが特徴。「FMVNF40T」のほか、デュアルコアCPU搭載モデルなど、計4機種をラインアップする。なかでも「FMVNF40T」が一番の売れ行きを示した要因について、富士通では「価格と、女性を意識したデザイン」(広報)の2つを挙げる。

 液晶ディスプレイのワイド化や白い本体は他社に追随した形。しかし、人気のトレンドをうまく取り入れると同時に、指先をスライドするだけでログイン認証ができる「指紋センサー」などの独自機能を組み合わせたインパクトは強かったようだ。戦略は見事に当たり、9月2日の発売から1週後の9月第3週(06年9月11日-9月17日)から、8週連続1位を獲得。いったん順位を落としたものの、年末商戦が本格化し始めた12月第2週、再びトップに返り咲いた。

 一方、2位の東芝「PAAX940LS」は、06年4月発売の前機種「PAAX840LS」からCPUなどを強化し、基本性能を高めたモデル。15.4型ワイド液晶を継承し、横スクロール機能付き光学マウスが付属する。上位につけていた「PAAX840LS」と入れ替わりで浮上。9月に一度、さらに11月第1週(11月6日-11月12日)から12月第1週まで4週連続1位を獲得したが、12月第2週では、僅差で2位に後退した。

 3強最後の一角をなすNECの「LL550/GD」は、これまで1位こそ獲得できていないが、常に2位や3位のポジションをキープし、上位2機種に肉薄している。AMD製CPUを搭載。3機種のうちでは、「最も液晶ディスプレイが明るく見やすい」との声が店頭で聞かれた。同じNECからは、FeliCaチップ内蔵のICカードや「おサイフケータイ」を使ってネット決済などができる「FeliCaポート」を搭載した上位モデル「LL750/GD」も4位につけている。

 質感や色味が若干異なるものの、3機種とも本体カラーはホワイト系。NECの「LL550/GD」ではシルバーとホワイトの2色使いになっている。この上位3機種に限らず、最近のノートPCはホワイトが多い。黒や灰色に比べ、どのような部屋でもマッチするため、人気があるという。

●焦点はメーカー争いへ

 上位3機種の熾烈なトップ争いは、そのままメーカー別シェアの動向に結びつく。製品ジャンルごとに、年間トップシェアメーカーを決める「BCN AWARD」の中間集計(06年1月-11月累計)では、ノートPC部門1位はシェア23.0%で東芝、2位は21.0%でNEC、3位は20.2%で富士通となり、機種別ランキング同様、富士通・東芝・NECの3社がわずかな差で競っている。

 昨年の年間1位はNECだったが、このまま東芝が1位を死守すると、NECは3年ぶりに受賞を逃し、東芝は初めてトップに立つことになる。06年はパソコンが不調といわれるなか、ノートPCでは東芝は踏ん張っている。今年前半は販売台数、販売金額ともに前年同月比増を記録。販売台数が前年同月比13.5%減、販売金額が同19.6%減とノートPC全体で大幅に落ち込んだ11月でも、東芝は前年同月比5.8%の台数増、金額は1.7%減にとどまった。「PAAX940LS」の好調が原動力だろう。年末商戦次第ではあるが東芝の「BCN AWARD」獲得は目前だ。

 新OS「Windows Vista」の発売まで2か月を切った。これからWindows XP搭載PCは在庫一掃モードに突入する。OSが切り替わる今が「安く買う」には絶好のチャンス。さらに、熾烈なシェア争いの影響で、価格競争にも拍車がかかりそうだ。近々パソコン購入を考えているなら、バーゲンプライスのこの時期をあえて狙ってみてもいいだろう。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


(2006.12.13/BCN)
[PR]

by fbitnews2006-6 | 2006-12-13 21:17 | PC  

<< Google Finance刷... PS3思わぬ痛手…ドラクエ、任... >>