コンピューターウイルス:年末はびこるウイルス、巧妙悪質化 ケータイも標的に

 年末に入ると、さまざまなタイプのコンピューターウイルスが出回る。メールでパソコンに侵入してデータを破壊するだけでなく、所有者の知らない間に記録している個人情報を盗み出してしまうウイルスもあり、専門家も「ウイルスが巧妙化、悪質化している」と警告を発している。携帯電話もウイルスのターゲットになっているといい、汚染されないための対策を聞いた

 年末、ウイルスが多く登場することとクリスマスは密接な関係があるという。メールが早い時期に普及した米国では、クリスマスに大量のメールがやり取りされる。そこで「“愉快犯”のハッカーたちが『この時期にウイルスを仕掛けると目立ち、騒ぎになる』と競ってウイルスを作った」とソフト会社のソースネクストでワクチンソフトの開発を担当する溝口宗太郎さんは説明する。

 コンピューターなどのセキュリティー対策を行っている独立行政法人・情報処理推進機構に届けられたウイルスは06年10月だけで3696件。少しずつタイプは異なるが、大別すると(1)メールに添付されたファイルを開くと感染するタイプ(2)悪意のあるサイトでウイルス入りソフトをインストールして感染するタイプ(3)メールを受けたり、サイトにアクセスしただけで感染するタイプ--などに分類される。

 初期のウイルスはパソコンのデータを壊したり、汚染されたパソコンのアドレス帳に侵入し、記録されている人にウイルスを送りつけるといったタイプが主流だった。しかし、最近のウイルスは、パソコンに記録されている個人情報、銀行の口座番号などを盗み出すことを目的にした“経済犯タイプ”が増えている。

 ウイルスからパソコンを守るソフトを制作するシマンテックによると、今年上半期、インターネット上で「悪意のある行動」とみなされたウイルス(50種)のうち、30種が個人情報の不法収集を目的にしていたという。

 ◇恐ろしいスパイウエア

 金融機関などとそっくりの偽サイトを作り、そのサイトにアクセスした利用者の銀行口座番号といった個人情報を盗み、悪用して金などをだまし取る詐欺が「フィッシング」。シマンテック広報の甲斐扶子さんは「偽のサイトに誘導する『フィッシングメール』もあります。パソコンで取引する金融機関だと信じてメールに記されたアドレスにアクセスさせる危険な手口です。このタイプの対策も必要です」と話す。

 また、使用者が気付かないうちにパソコンに忍び込み、個人情報やサイトのアクセス記録を盗み出すスパイウエアも目立っている。ソフト会社のトレンドマイクロ広報、富安玲さんは「スパイウエアは感染してもパソコンの調子がおかしくなるわけではない。感染に気が付かないことも多いのが特徴」と話す。汚染を隠すプログラムが組み込まれていたり、パソコンのシステムの奥深くに入り汚染の発見を難しくしているという。

 さらに、携帯電話でメールやサイトにアクセスする人が増えている中、携帯電話のウイルス被害も注意が必要だ。基本的にはパソコンと同じで、受信したメールやサイトを閲覧することで感染することが多い。海外では多くの被害が報告されているが、国内で被害例があまり報告されないのは電話会社によって携帯電話で使われている基本ソフトが海外の携帯電話会社で使われているものと違うためとみられる。

 しかし、国内の携帯電話がウイルスに汚染され、銀行取引のパスワードを盗まれるなどの被害が出ている。携帯用ワクチンソフトもあり、金融機関との取引に携帯電話を使っている人は気を付ける必要がある。

 ◇ワクチンソフト、常に更新を

 ウイルス対策はどうすればいいのか。毎日コミュニケーションズが発行するパソコン雑誌・PCfanのデスクで、ウイルス問題に詳しい佐武洋介さんは「見知らぬ人からのメールは開かない」「怪しいサイトからソフトをインストールしない」「ワクチンソフトをインストールし、常に最新の状態にする」の3ポイントを挙げる。

 さらに、佐武さんは「大半のワクチンソフトの有効期限は1年。更新を忘れないでほしい」と言う。年末に感染が多いことについて、「年末のボーナスでパソコンを買い、その時にワクチンソフトをインストールしたが、1年目の年末に更新を忘れてしまう人が多いため」と指摘する。パソコンを購入したら必ずワクチンソフトをインストールし、常に更新することが、ウイルスに汚染されない最低限の予防策のようだ。

(2006.12.3/毎日新聞)
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by fbitnews2006-6 | 2006-12-04 00:14 | インターネット総合  

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