ソニー製バッテリー問題、その経緯とパソコンメーカーの対応は?



 世界規模で相次ぎ発生したソニー製バッテリーの発熱・発火事故。ソニーは大規模な自主交換プログラムを実施することになった。当該のバッテリーを採用する国内外のパソコン各社はリコール(回収・無償修理)を開始。パソコンユーザーも自分の機種が対象かどうか一度はチェックしておきたい。そこで、ソニー製バッテリー問題の経緯と対象機種やパソコンメーカー各社の対応をまとめた。



●05年夏から発生していた発熱・発火事故

 対象個数960万個、交換費用510億円――10月24日に開催した記者説明会で、ソニーはノートパソコン用リチウムイオンバッテリーの自主交換プログラムの全容を明らかにした。「PCメーカーやユーザーに多大な迷惑をかけてしまった」と、中川裕・執行役副社長セミコンダクタ&コンポーネントグループ担当は会見で陳謝した。

 ソニー製バッテリーの発熱・発火事故を巡っては。05年夏にデルのノートパソコンで最初の事故が発生。その年の12月、デルは3万5000個のバッテリー回収を実施した。

 次いで06年の春から夏にかけてデルとアップルコンピュータのノートパソコンで事故が発生。8月にデルが410万個(その後420万個に修正)、アップルが180万個のバッテリー回収を発表する。この段階でソニーは「これ以上の回収はない」と表明していた。

 しかし、9月にはレノボのノートパソコンが米ロサンゼルス国際空港で発火事故を起こした。レノボでは全世界で52万6000台のバッテリーのリコールを実施。ソニーの見解は覆されてしまった。

 こうした経緯から、ソニーは9月にバッテリーの全供給先に対して自主交換プログラムを実施すると発表した。これを受けて東芝、富士通がバッテリーの自主交換プログラム実施を表明。10月には日立製作所、シャープ、米ゲートウェイもプログラムの開始を発表した。そして、10月下旬、ソニーは会見を開き、ようやくバッテリー不具合の原因について詳細に説明、自主交換プログラムの全容を明らかにした。

 また、ソニーのバッテリー問題が引き金となり、業界団体の電子情報技術産業協会(JEITA)でもリチウムイオンバッテリーとノートPC本体の設計・評価について業界のガイドライン策定などを行う特別委員会を設置。本格的な活動を開始した。

●原因は電池内に入った金属粉、会見当日には皮肉にも国内初の事故

 ソニーでは、バッテリーの不具合について、バッテリーパックの中に格納する「円筒型リチウムイオンバッテリーセル」の製造段階で、正極と負極の特定部位間に金属の微粒子が入ってしまったことが原因と説明。今回の問題を受け、製造過程で金属微粒子混入防止装置を追加し、電池セルの構造変更も実施することで安全性を確保したと述べた。

 一方で、バッテリーの電圧などを制御するパソコン本体のシステムと相性が悪い場合には、発火の可能性が増すとも説明。しかし、この点について、米デルなどは「パソコンのシステムではなく、バッテリー単体の問題」と反論、意見は食い違ったままだ。

 記者説明会で中川副社長は「06年2月以降、発火は一切発生していない」と強調した。だが、会見当日の10月24日夜、富士通のノートパソコンでバッテリーが発熱する国内初の事故が発生。ユーザーが手に1-2か所の軽いやけどを負った。富士通はソニーとの調査で、事故の原因はバッテリーにあるとの共通見解には至ったが、詳細については「究明中」としており、真相はまだ明らかになっていない。

 「(電池問題は)もう終わりにしたい」――中川副社長は説明会でこう述べた。しかし、回収プログラムが一段落するまで、ソニーにとってバッテリー問題は、まだ予断を許さない状況にある。

●パソコンメーカーごとに異なる対応窓口、ユーザー自ら確認を

 バッテリー交換プログラムは、対象となるメーカーやPC機種がさまざまで、それぞれに対応が異なる。しかもユーザーは、自分の機種が該当するかどうかを自分で調べなければならない。そこで、現在発表されている自主交換プログラムを行っているメーカーと対象機種などの内容を表にまとめた。

 対象バッテリーの交換はメーカーとユーザーが直接やりとりして行うため小売店で交換してもらうことはできない。しかし、ピーシーデポコーポレーション(PCデポ)のように、ソニー製電池を搭載したPCメーカーの対応状況をまとめた掲示板を全店で設置したり、自分の所有するパソコンが対象機種に当たるか分からないユーザーを対象に無料で点検するサービスを行っている家電量販店もあるようだ。

 現在、プログラムを行っているのはデル、アップルコンピュータ、レノボ(IBM)、ゲートウェイ、東芝、富士通、日立、シャープ、ソニーの9社。いずれのメーカーも専用サイトや電話などでユーザーが機種の確認や問い合わせを行う。その上で、ウェブなどから申し込むと、対象バッテリーを送り返すための返送先が書かれたラベルと一緒に新しいバッテリーが届く仕組みだ。

 一方、NECや米ヒューレット・パッカード(HP)などは自主交換プログラムを行わないと発表している。プログラムを行わないメーカーでは「国内向け製品ではソニー製バッテリーを使用していない」(NEC)、「ソニーとバッテリーの調査を行った結果、安全性に問題がない」(HP)、「対象となるリチウムイオンバッテリーを使用していない」(ソーテック、日本エイサー)とそれぞれ説明している。

 ノートパソコンユーザーとしては、まず自分の使っている機種が問題のバッテリーを搭載しているかどうかを確認することが重要。万一の事故を避けるためにも、該当する場合にはメーカーが実施する自主交換プログラムに従って早めにバッテリー交換を行いたい。


(2006.11.21/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2006-11-21 21:08 | 周辺機器  

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