デジタル一眼2倍の売れ行き、前年並みのデジタル家電をカメラがけん引



 年末商戦の緒戦、PCやデジタル家電の売れ行きを「BCNランキング」で概観した。全体ではおおむね前年並みの水準で推移しているが、一眼レフタイプを中心としたデジタルカメラには特に勢いがあり、来春ぐらいまでは右肩上がりの活況が期待できそう。依然好調だが伸び率にかげりが見え始めた薄型テレビや、やっと上昇に転じたHDD-DVDレコーダーなどを尻目に、しばらくの間は、デジタルカメラが市場をけん引することになりそうだ。



●デジタル家電市場全体は「前年並み」、デフレ脱却はならず

 洗濯機や冷蔵庫などのいわゆる「白モノ家電」を除く、PCやデジタル家電、ソフトなど計115品目について、05年1月を100とした販売台数、販売金額の指数を「BCNランキング」で算出した。10月では台数は前年比マイナス9ポイント、同金額はマイナス6ポイントと前年実績をやや下回る状況だが、06年全般的な状況としてはほぼ前年をなぞるように推移しており、今後も前年並みの推移が予想される。

 全アイテムの販売単価推移では今年の1月から6月まで前年の販売単価をわずかに上回る数字で推移しており、デフレの脱却への期待が募ったが、06年7月以降はほぼ前年並みだった。また、販売単価に関しては、05年10月の9万8000円に比べ06年10月には9万6000円と2000円のダウンという結果。デジタル家電関連製品ではまだまだデフレから抜け出せていないといえそうだ。

●依然好調デジタルカメラ 商戦予測は「晴れ」マーク

 アイテム別の市場動向を見てみよう。06年年末商戦序盤でもっとも前年同期比の伸び率が高く、また今後にも期待が持てるのはデジタルカメラ市場だ。コンパクトと一眼を含むカメラ全体で伸び率の推移を見ると、06年6月の台数伸び率は92.0%、金額伸び率は92.8%だったものの、ここをボトムに上昇に転じた。06年10月では台数伸び率115.7%、金額伸び率118.4%を記録。特に一眼レフカメラ市場ではソニー、松下電器が新規参入した7月以降活発になっており、それがデジタルカメラ市場全体に良い影響をもたらしたようだ。

 06年10月のタイプ別では、コンパクトタイプの販売台数伸び率111.3%、販売金額伸び率105.1%であるのに対し、レンズ交換型の一眼レフカメラは販売台数伸び率197.4%、販売金額伸び率181.8%と2倍近い伸張を遂げている。また一眼レフタイプがデジタルカメラ市場に占める割合も拡大しており、06年10月では台数構成比で8.6%、金額構成比では26.6%を獲得し、金額だけを見れば市場の4分の1を抑えたことになる。

 コンパクトサイズ、一眼レフとも右肩上がりの傾向のまま年を越えることが予想され、特に一眼レフカメラは来春まで2ケタ成長のまま推移しそうだ。

●年末に向けて需要が高まるAV家電 液晶テレビの大型化は進むのか

 年末が近づくにつれ、ピークを迎えるAV家電だが、今年も液晶テレビ、プラズマテレビ、リアプロを合わせた薄型テレビ市場は販売台数、金額とも前年比2ケタ増で推移している。販売台数で見ると、9月にはW杯需要で盛り上がった6月に次ぐ前年同期比140.2%をマーク。翌10月には129.8%とダウンしてしまったが、このまま135%前後で推移していきそうだ。

 対して、金額伸び率は台数ほどの勢いがない。W杯需要の6月に150.1%に達して以降、前年同期比110-120%の低い起伏を描いている。台数に比べ、金額の伸び率が低いのは、売れ筋サイズの低価格化が考えられる。

 今年の6月以降「在庫のダブつき」が指摘されるが、実際はどうだろうか。旧モデルが大量に残ると価格を下げて販売するため、新モデルが売れにくくなるし、また値崩れが起こるなどの悪影響がある。

 05年と09年の9月第4週と、10月1-20日までの新モデルが占める台数構成比率を比較してみると、05年9月第4週では12.7%だったのに対し、06年9月第4週では19.2%、05年10月(1-20日)では16.2%だったのに対し、06年10月(1-20日)では20.8%と、06年は新モデルが2割も占めていた。在庫調整はスムーズで、在庫過多のための値崩れの心配はないようだ。

 薄型テレビの販売金額が減少している原因は、大型化へのシフトが鈍化しているためだ。これまでも薄型テレビの単価は毎年著しく下がっており、メーカーや販売店は大型化へシフトすることで市場全体の売り上げ減を食い止めてきた。しかし、現在の売れ筋である32-40型未満のサイズで、大型化へのシフトは踊り場を迎えた。

 液晶テレビのサイズ別平均単価推移を見ると、40-50型未満のサイズは毎月平均単価を下げ、05年11月には36万9000円だったものが06年10月には8万7000円減の28万2000円まで値下がりした。しかし、その間も売れ筋サイズの32-40型未満も40-50型未満ほど勢いはよくないが値下がりが進み、06年10月には17万円まで値が下がった。いまだ40-50型未満と32-40型未満の間では11万円以上の価格差があり、この大きな価格差が大型化シフトのネックとなっている。このため、年末の販売金額は前年比125%程度ではないかと予測される。

 なお、06年10月のプラズマテレビのサイズ別平均単価は、32-40型未満が20万円、40-50型未満が24万8000円で、価格差は約5万円だった。

●地上デジタル対応機が半数を占めるDVDレコーダー市場

 W杯商戦期には販売台数、販売金額とも前年実績を超えたDVDレコーダー市場だが、ボーナス商戦期の7月には台数伸び率78.5%、金額伸び率82.0%とガクンと落ち込んでしまった。しかし9月以降は、台数、金額とも上向いている。

 06年10月の台数伸び率は94.7%で、金額伸び率は101.1%と前年実績をわずかに上回ることができた。今後も上向きのまま推移していくことが予想され、年末商戦は前年実績を上回りそうだ。また地上デジタル対応機も順調に伸びており、06年10月の台数構成比では48.5%と半数を占め、金額構成比では70.1%と市場の中心を占めるようになり、平均単価のアップも期待できる。

 前年同期ではソニー、東芝が上位を占めていたが、06年10月第3週のメーカー別台数シェアでは、松下電器がメーカーシェア28.3%で1位に、シャープがシェア22.8%で2位にランクインした。松下電器とシャープは薄型テレビとのリンク機能を搭載したDVDレコーダーを発売しており、これがユーザーの支持を受けているようだ。今年の年末は薄型テレビとDVDレコーダーのセット販売が増加しそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


(2006.11.9/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2006-11-09 11:10 | 周辺機器  

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