白熱してきたモバイルの検索エンジン市場・立ち上げ期こそチャンス

 携帯電話での「検索」が、今年に入って注目を浴びている。KDDI(au)がグーグルとの提携を発表し、7月には「au」の携帯ネットサービス「EZweb」のトップ画面にグーグルの検索窓が設置された。そしてNTTドコモもiモード上での新たな検索サービスを開始している。ソフトバンクモバイルも孫正義社長肝いりの「Yahoo!ケータイ」が開始され、3社が出揃った。主要キャリアにおける「ケータイ検索」の基盤が本格的に整ったと言えよう。

 キャリアだけでなく検索エンジン側に目を向けても、携帯向けのシステムは相当の数がそろってきた。下図を見て欲しい。ヤフーの「Yahoo! モバイル」やグーグルだけでなく、NTTグループの「モバイルgoo」やウェブドゥジャパン(東京・千代田)の「CROOZ」など、そのラインアップは実に豊富だ。








 このようにモバイル検索の流れが急速に強まったことについては、もちろんパケット定額制が普及しつつあることや、ソフトバンクによるボーダフォン買収という、キャリア間の競争環境が変化したことなどが直接的な原因として挙げられる。

 しかし、その背景には各キャリアの公式メニューに並ぶサイト(公式サイト)だけでなく、いわゆる非公式の携帯向けサイト(勝手サイト)等も含めてひろく情報を収集したいユーザー側の慢性的な欲求が遠因になっているとも思われる。これまでは十分な検索サービスがなかったため、携帯電話が情報検索ツールたるポテンシャルを十分に発揮しきれてこなかった事実は、疑いようもない。

 今般の検索機能の整備によって、一般のウェブサイトへも携帯端末からアクセスしやすくなることは、ユーザーにとって歓迎すべきニュースだと思う。またコンテンツ提供側にとっても、これまではほとんど日の目を浴びることのなかった勝手サイトなども、検索結果を通して露出のチャンスを得られるようになったと言える。

 そもそも携帯は、ハード面の制約という大きなハンディを負わされている。URLを入力するなど言うに及ばぬが、「決定」ボタン一つを何度も押して公式メニューを下り、目当ての情報を求めてさまようことだって、それはもう大変難儀なのである。

 できる限り少ないクリックで、欲しい情報にアクセスできること。これは、単に個々のサイトへのトラフィックを左右する問題にとどまらず、携帯そのものの情報インフラとしての将来性に関わるポイントだと思う。

 その意味で、携帯における検索のもつ役割は大きい。原理的には、単語を入力して検索ボタンを押すだけで欲しい情報が見つかるのだから、ディレクトリ型のメニューを下っていくよりよっぽど簡単である。

 ただ問題は検索結果の精度だ。個人的な意見になるが、キーワードとは関係のないサイトが上位に来たり、文字化けするサイトが存在するなど、残念ながらまだパソコン向けの検索サービスに比べ見劣りする部分がある。

 しかし、検索技術の向上を待つだけでなく、コンテンツ提供側で対処できる工夫もいくつかある。すなわちモバイル検索向けのサーチエンジン最適化(SEO)である。

 例えば、携帯用のサイトを作る際には、すべての携帯キャリアで対応している「シフトJIS」で文字コードを設定しておけば、サイトが文字化けする心配もない。

 また、サイトのHTMLのソース部分に順位を上げたいキーワードを織り込むことによって、キーワードとサイトの関連性を強めることが可能だ。ただし、サイトのコンテンツとは無関係のキーワードを挿入すると検索サービスからは迷惑行為(スパム)として扱われ罰則を受けるのはパソコン向けサイトと同じだ。

 タイトルにキーワードを挿入するのは、パソコンサイトのSEOでは基本中の基本。だが、携帯サイトを見ていると、これが出来ていないものも意外に多い。もちろん、パソコンと携帯で異なる点も存在するが、このような基本的なポイントに相違はないと考えてよい。パソコンに比べて、SEO対策を行うサイトが少ない今だからこそ、一定の先行優位を保つことができよう。

 また、検索結果への対策と同時に、広告を利用するのも有効な手法だ。検索ボックスにキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する広告が検索結果画面に表示される「検索連動型広告」は、モバイル検索でも既に本格的な運用が行われている。








 モバイルの検索結果が、今後一つの販促プラットフォームとしての役割を本格化させることは間違いないだろう。ネットの世界では先にデファクトとして市場を抑えたほうが強いというのはよく言われることだ。黎明期である今こそ、上述のSEOを始めとした対策を打つことで、先々に渡って大きな優位を持つことができるだろう。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT0j000016102006
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by fbitnews2006-6 | 2006-10-17 11:44 | インターネット総合  

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