ソニエリが作ったら、“光る携帯”はこうなった――「W43S」


 どのキャリアにとっても端末メーカーにとっても、2006年の秋モデルは“MNP(番号ポータビリティ)に向けた戦略端末”という意味がある。かつてないほどたくさんの種類の機種が登場し、しかもメーカーは他キャリア端末とも勝負しなくてはならない。そんな中、どのようにほかの端末と差別化したら“勝ち抜け”るのか、その見極めは難しい。

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のau端末「W43S」は、“あかり”をテーマにした折りたたみ端末だ。Style-Upパネルを着せ替えればガラリとイメージが変わる。2.7インチの大型液晶を搭載し、文字入力はこれまでの「POBox」から「POBox Pro」に進化した。ITmediaの調査「+D QUICK POLL」を見ても、読者の注目度は高い。

 W43Sの製品化にあたり、開発陣はどのような思いを込めたのか。商品企画を担当した5人のスタッフに話を聞いていく。

●派手にLEDが光るのではなく、柔らかく光るから“あかり”

 開発するに当たり、“MNPのタイミング”ということは強く意識していた、と商品企画の清水氏は話す。「MNPのタイミングに合わせて、出てくる端末の機種数はとても多くなります。その中でソニー・エリクソンらしさを出していくには何がいいだろう? と考えました」(清水氏)

 W43Sのターゲットユーザーは“10代~30代の、流行に敏感で、自分の持つ物やインテリアなどにこだわりのある男女”だという。「機能とデザインの両方から特徴を持たせ、幅広い層に受け入れてもらえる端末にしたかった」(清水氏)

 ソニエリらしさとは、そして幅広い層に受け入れられる機能・デザインとは、具体的に何か。開発陣がW43Sで出した答えは「あかり」「スリムなデザイン」「大きくきれいな液晶」「文字入力のしやすさ」だった。

 「あかり」は、W43Sの最も大きな特徴だ。背面には6個×2列の白色LEDが配置されており、複雑な動きで光る。さらにその上に着せかえ可能なStyle-Upパネルをかぶせることで、光の色や形も変化する。着せかえ可能な端末は珍しくないが、光り方の印象がパネルで変わるところが面白い。

 あかりにこだわった理由は、デザイン的な美しさだけではない。「不在着信があったり、メールが届いていたときに、携帯を見るとあかりの数で何件かそれとなく分かります。音や振動に加え、携帯が光ることはユーザビリティという観点から見ても有益です」(清水氏)

 ソニー・エリクソンは以前にもau向けに、「A1101S」という“光る携帯”を出している。A1101Sは背面全体と、折りたたみのヒンジ部分が光るようになっていた。

 「W43Sの開発に当たっては、もちろんA1101Sのことも頭にありました。最近は他社も“光る携帯”を作っていますが、これはいわばA1101Sが先駆けていたイメージとも言えます。元祖、というわけではないですけど、その“ソニー・エリクソンが作ったら、光る携帯はこうなるよ”というのを形にしたのがW43Sです。光り方とデザイン性の両方で、ソニー・エリクソンらしさが出ているんじゃないかと思います」(大庭氏)

 また、W43Sでは光る機能をひらがなの“あかり”という単語で表現しているが、これは“LEDが派手に光るのではなくて、柔らかに、ニュアンスのある光り方”をすることを伝えたい、という思いからだという。「今までの光る携帯は、光の強さを変えることで表現していましたが、今回は柔らかくじわーっと光るし、光り方にもいろいろなバリエーションをもたせています。いわば“光る携帯”の2006年版」(清水氏)

●あかりは表面、機能は裏面のデュアルフェイス

 W43Sを手にとってみると、フラットで薄型の折りたたみデザインになっている。厚さは19.8ミリ。あかりやStyle-Upパネルは目をひくが、端末そのものはシンプルなデザインだ。

 「今回、デザインのキーワードとして“Light is beautiful, Life is beautiful”というのを考えたんですが、それがそのままデザインコンセプトになりました。“あかりを美しくすることで、生活を美しくする”というコンセプトです。その“あかり”や“パネル”を生かすために、本体デザインはシンプルにして、しかも着せかえ部分の面積を極力大きく取るようにしました」(本体デザインを担当した大倉氏)

 確かに本体背面は全面がStyle-Upパネルになっており、サブ液晶、カメラ、スピーカー、FeliCaチップなどはすべて裏面に集められている。

●BRAVIAの技術を生かした大画面液晶

 W43Sに採用されている液晶パネルは、ソニーとソニー・エリクソンが携帯向けに開発した2.7インチ、240×432ドットの低温ポリシリコンTFT液晶だ。アスペクト比が16:9なので、ソニーでは“フルワイド液晶”と名乗っている。残念ながら16:9の動画は撮影できないが(静止画は撮影可能)、4:3の画像も、3:2の画像も、上下をカットして画面いっぱいに表示することができる。

 この液晶モジュールに搭載されているのが、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」シリーズで培われた「RealityMAX」という描画エンジン。画像を自動分析して明るさ・コントラストを向上させ、適度な輪郭補正を行うことで、あざやかでくっきりした画質が得られる。

 RealityMAXは画質を自動補正するだけでなく、ユーザーの好みに合わせて画質を変えることもできる。液晶の表示段階で補正を行うため、静止画だけでなく動画も補正できるし、画像編集ソフトで補正するのと違って元データはそのまま変わらない。

 「『表示画質設定』という設定項目があり、表示画質を、ノーマル・シャープ・ダイナミックの3つで調節できます。ここを変えると、コントラスト強調と輪郭強調のレベルが変わります。この画質設定が効くのは、待受画像と、データフォルダ内のJPEG画像、ムービーです」(ソフト担当の大野氏)

 W43Sでテレビは見られないが、きれいな大画面を生かして、メニューや待受画面にさまざまな工夫がなされている。「待受画面は上下左右などいくつか分割して、待受用画像の上に重ねて、スケジュールやカレンダー、時計などを好きなところに配置できるようになっています」(大野氏)

 メニューも凝っていて面白い。「Manga」を選ぶと、3ページ構成のマンガになっているメニューが現れる。吹き出しに機能名が書いてあり、選択するとそのコマだけカラーになるというものだ。「このメニューのために、“愛と勇気と冒険”をテーマに、漫画家さんに書き下ろしてもらっています」(清水氏)

 W32Sから搭載している「ドラマメニュー」も進化した。メニュー画面上で、落ち葉が散ったり、赤とんぼが飛んだりという季節ごとのイベントが起こるだけでなく、本来ほかのメニューにいるはずのキャラクターが遊びに来たりする。「月替わりや誕生日など、時間によって起こるイベントが15種類くらい。キャラクターは20~30種くらい入れてあるので、長く楽しんでいただけると思います」(大野氏)

(2006.9.15/+D Mobile)
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by fbitnews2006-6 | 2006-09-15 16:49 | インターネット総合  

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