将来は株式分割を考える必要が出てくるかもしれない=ミクシィ社長

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手で東証マザーズに14日新規上場したミクシィ<2121.T>の笠原健治社長は、東京証券取引所で会見し、今後は業務提携や資本提携、場合によってはM&Aもありうるとの見方を示した。また、配当政策については毎年の業績を勘案しながらいずれ行っていくと述べるとともに、将来は株式分割を考える必要が出てくるかもしれないと語った。
 投資家からの注目が高かった同社株は上場初日は値がつかず、売り出し価格の2.3倍に当たる315万円の買い気配で終わった。
 笠原社長は、他社との業務提携や資本提携に関して「本業を伸ばすためのM&Aも場合によってありうると思う」と述べ、先行するサービスや自社にない技術を補うためにM&Aを行う可能性はあるとの考えを示した。上場したことで逆に買収されるリスクも出てくるが、現時点では「買収防衛策は考えていない」という。そのうえで「クオリティや業績を上げて株価を上げることの優先順位が高い」と語った。
 一方、配当については「各事業年度を考えながらいずれ行っていく。まずはサービスを強化し、株価の向上をもって(株主に)還元したい」と述べ、毎年の業績と照らし合わせて行う考えを示した。さらに株式分割について「投資家にとって買いやすい値段帯での分割というのは、将来的には考えていく必要が出てくるかもしれない」とした。
 同社が今回の上場で調達する資金は64億円。そのうち10億円をサーバーなどへの設備投資や人材の強化に、3億円を事業所の拡充などに振り向ける。笠原社長は「今後、SNSという枠を超えて大手ネット系の企業と競争していくことになると考えている。開発や企画、営業など人材を強化していく必要がある」と述べた。残りは当面、銀行預金に回すが「積極的に事業展開するので、機会がくれば(残りの資金を)使う可能性はある」(小割洋一取締役)という。
<SNSシェア86%の高さが強み>
 ミクシィは、既存会員からの招待を受けて会員登録し、インターネット上で交流の場を持つSNS運営会社の最大手。笠原社長が大学在学中の97年に起業し、ITベンチャー企業向け求人サイト「Find Job!」を手がけてきた。99年に法人化し、04年2月にSNS「mixi(ミクシィ)」も開始。日記など情報交換機能のきめ細かさが人気を呼び、今年7月末には会員数が500万人を突破した。9月14日現在の会員数は570万人で、SNS業界でのシェアはおよそ86%に達する。07年3月末には約860万人の会員を想定している。
 また、ミクシィはユーザーの利用時間が他のサイトを大きく上回る。ホームページの視聴率を調査するネットレイティングス(東京都渋谷区)によると、8月のユーザー1人あたりの月間利用時間は3時間55分で、ヤフー<4689.T>よりも41分、楽天<4755.Q>よりも3時間07分多かった。
 会員数の増加と広告料収入の拡大を追い風に、ミクシィが公表した07年3月期の業績予想は、売上高47億8900万円(06年3月期比約2.5倍)、経常利益17億1900万円(同88%増)、純利益9億8600万円(同71%増)になるとしている。
 直近の決算にあたる06年4─6月期は、売上高8億8100万円、経常利益4億5200万円、純利益2億6300万円だった。売上高の63%はSNSサイト「mixi」のインターネットメディア事業が占め、残りを「Find Job!」のインターネット求人広告事業が占めるなど、「mixi」の急伸ぶりが目立っている。 
 ただ、SNSは今後、競争激化が予想される。昨年末には韓国で3人に1人が利用するSNS「サイワールド」が日本に進出。今年7月末にはヤフー<4689.T>もSNS「ヤフー・デイズ」を本格的に開始した。グリー(東京都港区)も7月末にKDDI<9433.T>と資本提携し、携帯電話を使ったSNSの強化を図っている。
 それでも、ユーザーが多くの出会いを求めるSNSは、会員の規模が大きいほど利用者が集まりやすいともいえる。笠原社長は「シェアの高さがさらに強みとして生きてくる」と自信をみせる。新たなサービスの可能性にも言及し「SNSと親和性の高い収益モデルの創出を目指す。オークションやフリーマーケットなどが念頭にある。音楽などデジタルコンテンツの販売も考えられる」と今後の展開について述べた。
 
 
(2006.9.14/ロイター)
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by fbitnews2006-6 | 2006-09-14 21:59 | インターネット総合  

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