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期待の携帯新サービス「HSDPA」 - 韓国での実情は



韓国の携帯キャリア最大手SK Telecom(以下、SKT)は新サービスブランド「T」を発表し、8月1日から同ブランドの全面的な適用を開始すると発表した。

これにあわせ、今後、同社のサービスには全て「T」が付けられることとなる。また既存のサービスも、段階的に「T」へと統合されていく予定だ。

さしあたり5月中旬に開始したHSDPAのサービス名は「T 3G+」に、HSDPAも含めた料金制は「T Plan」に変更されるほか、端末に自由に触れられる直営店「T World」を2006年内に200店以上へと拡大するという。

○日本では今夏開始が期待されるHSDPA - 一足早くサービスインの韓国では

韓国では現在、SKTのT 3G+と、KTFの「ワールドフォン ビュー」という2つのHSDPAサービスが提供されており、両社の加入者誘致合戦が繰り広げられている。加入者数は未発表だが、まだ開始して間もなく、対応端末もSKT・KTF合計で3モデルしか出ていないせいもあってか、HSDPAという名称そのものがアーリーアダプターにしか知られていないのが現状だ。

そんなアーリーアダプターの1人である会社員男性に、HSDPAサービスの実感を聞いてみた。SKTユーザーの彼は6月初めにHSDPA対応端末「SCH-W200」を購入。2カ月近くT 3G+サービスを利用してきた。

彼にHSDPAを利用してみての感想を聞くと、「データ通信速度に関してはJUNE(SKTのCDMA2000 1xEV-DOサービス)と大きな違いを感じなかったが、テレビ電話が使えるのは本当に新鮮な体験」と答えてくれた。

ただし、「周囲にはまだ、対応端末を持っているどころか、HSDPAの存在を知っている人自体がほとんどいないので、私はインターネットのHSDPA同好会に入会してテレビ電話をしてくれる人を募った。ここを見るとHSDPAユーザーが、まだマニア主流ということが分かる」と付け加えた。

今後、韓国でHSDPAサービスが活性化するかどうかを尋ねると、「私の場合、30分程度のテレビ電話で17,200ウォン(約2,000円)の通話料がかかった。この料金をもう少し下げて、HSDPAの知名度を一般ユーザーにまで広げれば受け入れられるのでは」と予想してくれた。

韓国におけるHSDPAのもっとも大きな課題は知名度のようだ。さらに付け加えれば、ブロードバンド大国の韓国では、PCでインターネットを利用する方が携帯電話での通信よりも格段に速いため、PCでダウンロードしたコンテンツを携帯電話へ移すという利用法が習慣化している。その方が料金も安く収まるというわけで、今回インタビューに答えてくれた男性も、HSDPA携帯を持ちながらこの習慣を捨てきれずにいることを明かしてくれた。

HSDPAを浸透させるには、これら数々の障壁を乗り越える必要がある。手始めとしてブランドを一新して知名度向上に乗り出すSKTの戦略は成功するのか、8月以降の市場動向に注目が集まる。



(2006.8.1/MYCOMジャーナル)

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