国内PC出荷が3年ぶりの前年割れ


 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は27日、2006年度第1四半期(4~6月)の国内PC出荷統計を発表した。

 これによると、国内の出荷台数は、前年同期比3%減の296万5,000台、出荷金額は5%減の3,819億円となった。国内PC出荷は、過去12四半期連続でのプラス成長となっていたが、3年ぶりの前年割れとなった。

 JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会 山本正己委員長(=富士通経営執行役)は、「個人所得の拡大、金利上昇といった動きを反映して、お金の使い方が分散していることが影響している」と分析。「ゴールデンウイークの長期化によって、この期間の海外旅行者数が過去最高になったこと、地上デジタル放送の浸透に伴い、薄型テレビの需要が増加したこと。また、金利の上昇により、住宅の駆け込み需要やローンの借り換えといった動きが見られるなど、いくつかの要素が影響して、個人向けPC市場が一時的に落ち込んだ」とした。

 同様の影響は、新車登録台数の減少、DVDレコーダーの前年割れ、白物家電の低迷などにも表れており、これらとともに一時的な減少傾向であるとの見方を強調した。

 また、4年前のワールドカップ開催時には、第1四半期が前年同期比10%以上の落ち込みだったことに触れ、「今回の四半期もワールドカップがマイナスに働いたが、落ち込みは4年前ほどではなかった」とした。

 一方、企業需要に関しては、「原油高などを背景とした景気の低迷感やIT投資減税の終了といった懸念材料もあったが、企業のIT投資は堅調に推移しており、前年並みだったと判断している」とした。

 今回の第1四半期がマイナス成長となったものの、「日銀の予想でも、緩やかな景気回復が続くとしており、今後も、企業の堅調な需要が見込まれる。また、個人需要では、地デジ対応などの新たな機能での訴求が可能だと見ており、年間で5%増という見通しは修正する必要がないと判断している。PCの需要は止まったわけではない」(山本委員長)とコメント。第2四半期以降の市場回復を期待していることを明らかにした。

 だが、業界筋では、Vista発売前の買い控えが見込まれる第2四半期、第3四半期ともに厳しい状況が続くとの見方が支配的で、第4四半期に発売が見込まれているWindows Vistaによって、「通期で前年比プラス」へと転換するシナリオを描くことになりそうだ。

 第1四半期におけるノートPCとデスクトップPCの比率は、56%対44%。ノートPCは、前年同期比2%減の167万2,000台、デスクトップPCは同5%減の129万3,000台となった。

 一方、第1四半期の平均単価は、2005年度第4四半期からは大きく上昇。ノートPCが第4四半期に比べて7,000円上昇の136,000円、デスクトップPCが5,000円上昇の119,000円。全体的には7,000円増の129,000円となった。

 価格の上昇は、液晶画面の大型化やメモリの大容量化といった動きが、企業/個人需要のいずれでも見られたほか、とくに個人向けには地上デジタル放送対応モデルの販売増加などによって単価が上昇したことが要因とした。

 ただし、第4四半期は、例年企業の駆け込み需要などを対象とした単価の下落が見られており、今回の単価上昇はその反動と見ることもできる。今後、単価が上昇し続けるとはいえないだろう。

 なお、輸出を含めた総出荷では、前年同期比2%減の323万3,000台、金額では3%減の4,177億円となった。

 また、質疑応答のなかでは、Windows 98をはじめとするOSのサポート期間が7月11日に終了したことについては、「その影響が、今後の需要にどう影響するかは、まだ検討していない」としたほか、現行のWindows XP Home Editionが、Windows Vistaの発売から2年後にサポート期間が切れることに関しても、「顧客の立場に立った対応が必要であり、業界として対応を考えていかなくてはならない問題」との見方を示した。
(2006.7.28/impress Watch)
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by fbitnews2006-6 | 2006-07-28 17:40 | PC  

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