IP電話人気でヘッドセット好調、1000円以下の安価モデル中心に34%増



 ヘッドセットが売れている。「BCNランキング」で「IP関連通信機器」に分類されているのが、主にIP電話などで利用するヘッドセットなどの販売動向。この販売台数伸び率が6月の前年同月比で34%増と好調だ。店頭でも専用コーナーが設置されはじめている。そこで、「BCNランキング」からPC用のヘッドセットを中心とした関連機器の売れ筋と傾向を探ってみた。



 ブロードバンド環境の普及を背景に、安い料金で通話ができるIP電話のユーザーが広がっている。代表的なIP電話「Skype(スカイプ)」に限っても、その数は国内で300万人以上、世界では1億人超えるといわれている。こうしたIP電話に不可欠なのが「IP関連通信機器」だ。IP電話ユーザーの拡大に呼応して販売台数は伸びており、「BCNランキング」06年6月では前年同月比34.3%の伸びを記録した。

●1000円を切るモデルが売れ筋、とりあえず購入するユーザーが主導か?

 「IP関連通信機器」にはいくつかの製品タイプがあり、そのほとんどが頭や耳にかけて使う「ヘッドセット」で、全体の89.5%。次いで手で持って使うハンドセットが7.7%、そのほか電話会議などで使う据え置き型が0.9%という市場になっている。

 売れ筋上位10モデルはすべてヘッドセット。さらに平均価格が1000円前後で安価モデルが中心。一方、11位以降のモデルでは平均価格は2000円台半ば。IP電話を始めるにあたって「とりあえず手ごろな価格のヘッドセットを購入してみる」という購買パターンも多そうだ。

 1位にランクインしたのはバッファローの「BMH-H01/SV」で販売台数シェアは9.2%。両耳ヘッドホンにマイクが付いたオーソドックスな「ヘッドバンドタイプ」だ。ヘッドホン部には、外部の音を遮りながら音漏れが少ない密閉型構造を採用。長時間の使用でも疲れがないよう、左右のヘッドホンをつなぐバンド部分を細くして、重量を87gまで抑えた。また指向性マイクの搭載で、周囲のノイズ混入を防ぐ。また、「Skype」に対応していることを示す「Skypeマーク」がついている。

 「Skypeマーク」はSkype Technologies社の品質チェックを受け、認証を受けたことを示すマーク。一般に、旧モデルや安価モデルには付いていないことが多いようだが、「BMH-H01/SV」は都内の量販店で1000円を下回る価格ながらマーク付き。「Skypeマーク」の安心感と価格の安さが人気の理由と考えてよさそうだ。

 2位はエレコムの「MS-HS58V」でシェアは9.0%。1位の「BMH-H01/SV」とは0.2%の僅差だった。1位の「BMH-H01/SV」と同様両耳用のヘッドバンドタイプで、店頭価格も1000円以下と同レベル。息による耳障りなノイズを軽減する「ウィンドスクリーン付きマイク」を採用。重さ85gの軽量モデルながらも30mmの大口径スピーカーを採用し、低音の再現性を高めた。

 3位にランクインした「MS-HS59SC」もエレコム製で、シェアは6.2%。こちらは、コンパクトで持ち運びに便利な片耳の「耳かけタイプ」。左右どちらの耳にも装着することができる。マイク位置を調節できる「フレキシブルマイクアーム」、耳に合わせて曲げられる「フレキシブルイヤーフック」を採用したのが特徴だ。

 トップ10にはバッファローが5モデル、エレコムが3モデルランクインしている。メーカー別の販売台数シェアではバッファローが30.8%で1位。エレコムは27.7%で2位で、上位2社で市場の半分を占めている状況だ。

●これから増える? ヘッドセット・ハンドセットのバリエーション

 最も売れている「ヘッドセット」には形状のバリエーションがある。これらをさらに細分化し、人気のタイプをまとめてみた。最もオーソドックスなのが、ヘッドホンとマイクが一体になった「ヘッドバンドタイプ」だ。市場全体の販売台数シェアは48.3%を占め、ほぼ半数がこのタイプ。なかには片耳用もあるが8割が両耳用。最も売れているのは全体でランキング1位になったバッファローの「BMH-H01/SV」だ。ヘッドバンドタイプに限った販売台数シェアは19.0%だった。

 また、携帯に便利な「耳かけタイプ」は全体の20.2%。ヘッドバンドタイプと比べ、軽く、小さいので、ネットカフェや街角の無線スポットといった移動先でIP電話を利用する場合に便利だ。ヘッドバンドと同様に両耳用、片耳用があるが、こちらは9割が片耳用。全体でも3位になったエレコム製「MS-HS59SC」が「耳かけタイプ」の1位で、「耳かけタイプ」に限ったシェアは30.7%だった。このほか、首の後ろ側に装着するネックバンドタイプが16.6%、耳栓タイプが4.3%という結果になった。

 ヘッドセットは単にマイクとヘッドホンが合体しただけの汎用性の高い製品。用途はIP電話に限るものでもない。例えばPCでカラオケを流しながら自分の歌を録音するのにも使える。確かに両手が空いて便利だが、「電話」という雰囲気はあまりない。IP電話で使うなら、固定電話や携帯電話に似た製品のほうが気分が出るというもの。その上、番号ボタンなども付いており、機能的にも何かと使いやすい。

 電話型のハンドセットには、携帯電話に似せた形の製品が多い。そんななか、今ではなかなかお目にかかれない「黒電話」のデザインを採用したハンドセットも販売されている。ハンファ・ジャパンの「DC-NCTEL1」だ。受話器の形だけではなく、本体の形も古い黒電話そっくり。その上「ダイヤル」まで付いていて、実際にダイヤルを回して番号が入力できる、という凝りようだ。「Skype」に対応し、PCとUSBで接続できるなど、なかなか「モダン」な作りだ。ハンファ・ジャパンの広報によると「シャレの分かる20代後半のユーザー」が購入しているという。

 こうしたデザイン重視の製品はまだまだ限られている。しかし、今後IP電話の普及が進むにつれ、徐々に固定電話と置き換わっていくことも十分考えられる。そうなると、ヘッドセットやハンドセットなどのバリエーションも、加速度的に拡大していくことになるだろう。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など23社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


(2006.7.25/BCN)
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by fbitnews2006-6 | 2006-07-25 13:17 | 周辺機器  

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